買い戻し先行も外部環境の先行き不透明感から見送り機運強まる【クロージング】

2021年8月17日 16:15

印刷

記事提供元:フィスコ


*16:15JST 買い戻し先行も外部環境の先行き不透明感から見送り機運強まる【クロージング】
17日の日経平均は4営業日続落。98.72円安の27424.47円(出来高概算9億5000万株)で取引を終えた。前日の急落の反動に加え、好業績見通しを示した東エレク<8035>が上昇して始まったことから、他の半導体関連株などにも買いが波及。取引開始直後に27750.39円まで上昇した。ただ、新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の感染拡大に歯止めがかかっていないほか、緊急事態宣言の期間延長、対象地域の拡大が検討されており、国内経済の正常化遅れへの懸念も拭えず、買い一巡後は見送りムードが強まった。また、午後に入り、東エレクなどがマイナスに転じたことも地合い悪化につながった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数は1400を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、海運、倉庫・運輸、医薬品など6業種が上昇。一方、空運、鉄鋼、石油石炭など27業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、テルモ<4543>、第一三共<4568>中外薬<4519>、富士フイルム<4901>が堅調。半面、ソフトバンクG<9984>、エムスリー<2413>、東エレク、アドバンテス<6857>が軟化した。

前日の米国市場は、ヘルスケア関連株などが買われ史上最高値を5営業日連続して更新した。日経平均は前日に急落したこともあり、自律反発を狙った買いが先行。ただ、マザーズ指数が連日で年初来安値を更新しているため、個人投資家の投資余力がなくなるのではないかとの懸念が相場の重しになった。また、新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の世界的な感染拡大、アフガニスタン情勢、中国景気の減速懸念など不透明要因が多く、買い戻しが一巡した後は、様子見ムードが広がっていた。加えて、アジア市場が軟調に推移しているほか、時間外の米株先物も値を下げていることも買い見送り気分につながったようだ。

米国では7月の小売売上高、鉱工業生産指数が発表される。新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の感染拡大が続くなか、米国経済の減速傾向が強まれば、調整ムードが一段と強まる可能性があるだけに、両指標の結果と米国市場の動向が気掛かり要因になっている。国内では企業決算も一巡しており、新規の手掛かり材料に乏しい状況が続いている。《FA》

関連記事