大阪・日本橋の高島屋東別館が重要文化財に、戦前の大規模百貨店建築に高い評価

2021年8月3日 16:51

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現在の高島屋東別館(高島屋発表資料より、竹中工務店提供)

現在の高島屋東別館(高島屋発表資料より、竹中工務店提供)[写真拡大]

 大阪市浪速区日本橋の高島屋東別館が文化庁から重要文化財に指定され、官報で告示された。戦前屈指の大規模百貨店建築で、戦前の大阪市を象徴する商業地区だった堺筋の都市景観に寄与したことが高い評価を受けた。

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 高島屋東別館は鉄骨鉄筋コンクリート地下3階、地上一部8階建てで、建築面積が4,832平方メートル。昭和初期の1928年に松坂屋大阪店として完成し、戦前の百貨店としては最大級の規模を誇る。設計は百貨店建築で戦前を代表する建築家の鈴木禎次氏。3期にわたる増築のあと、1966年に松坂屋が大阪・天満橋に移転したのに伴い、1968年から高島屋東別館になった。

 その後、高島屋の売り場や事務所、史料館などとして活用されてきたが、2020年に老朽化に伴う改修工事を行い、現在はホテルやフードコート、史料館、事務所などが入った複合施設として利用されている。

 建築物としての特徴は、1~2階の下層部に11連のアーチを設け、半円部分に彫刻を施して堺筋側を豊かに装飾。堺筋に面して2階分の高さを持つアーケードが67メートルにわたって設置され、その内側にショーウインドーが並んでいる。南北1階の大階段は親柱に照明を設置、大理石を多数使用した豪勢な造りが目を引く。

 豊かな装飾を施した細部の意匠が残されているほか、戦前の百貨店建築大規模化の過程を知ることができる点も、歴史的価値が高いと評価された。

 高島屋東別館は5月、文化審議会から重要文化財指定を求める答申が萩生田光男文部科学相に出ていた。高島屋は重要文化財指定を受け、東別館の歴史的価値を後世に伝える役割を果たしたいとしている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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