京写は下値切り上げ、22年3月期大幅増益予想

2021年7月20日 08:40

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 京写<6837>(JQ)はプリント配線板の大手メーカーである。独自の印刷技術を活用し、電子部品業界の微細化ニーズに対応した新製品による差別化・シェア拡大戦略を推進している。22年3月期は受注が回復基調で大幅増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は5月の年初来高値圏から反落して上げ一服の形だが、一方では下値を着実に切り上げている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。なお7月30日に22年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■プリント配線板の大手メーカー

 プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を柱として、実装治具関連事業も展開している。

 プリント配線板はスクリーン印刷技術をベースとして、防塵対策基板、熱伝導放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持っている。そして高温工程で繰り返し使用可能なノンシリコーンタイプ粘着キャリア、電子部品の急速な小型化に対応した業界初のスクリーン印刷法による0603チップ部品対応片面配線板、伸縮性のある材料にスクリーン印刷で直接回路を形成するストレッチャブル基板(プリンタブル基板)などの受注拡大が期待されている。

 21年3月期のセグメント別売上高は日本が87億01百万円、中国が74億84百万円、インドネシアが10億94百万円、メキシコが55百万円、営業利益(調整前)は日本が▲59百万円、中国が4億73百万円、インドネシアが▲81百万円、メキシコが▲10百万円だった。

 製品別売上高は片面版が80億89百万円、両面板が62億86百万円、実装関連が19億75百万円、その他が9億83百万円だった。用途別売上構成比は自動車関連(ライト、電装品、カーオーディオなど)が30.1%、家電製品(LED照明、エアコンなど)が22.9%、事務機(複写機、プリンターなど)が12.2%、電子部品・電子機器(電源、モーター、制御装置など)が9.0%、映像関連(薄型テレビなど)が6.5%、アミューズメント(家庭用ゲーム機など)が1.0%、その他(音響機器、通信機器など)が18.3%だった。幅広い顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得している。

 生産は国内、および中国、インドネシア、ベトナムに展開している。片面プリント配線板は世界最大の生産量を誇っている。18年5月には中国で両面配線板および多層配線板の生産を委託しているサンティス香港、およびその子会社のサンティス南沙と資本・業務提携した。19年6月にはメキシコ子会社で実装搬送治具の製造を開始した。

 両面配線板の新たな生産拠点である京写ベトナムは21年1月に販売開始した。なお京写ベトナムには自動車関連電子部品実装のエヌビーシー(岐阜県大垣市、05年から資本業務提携して協力関係)が6.7%出資している。

 また21年5月にメイコー<6787>との資本業務提携を発表した。ともにプリント配線板事業を主力としているが、得意とする製品が異なり、棲み分けができている。また商社とも中国、ベトナムで事業拡大を進めるなど共通点が多く、グローバルに協業することで相互補完が可能な状況にあるとしている。経営資源の相互活用などでシナジー創出を図る方針だ。なお両社は株式市場において相互の株式を取得する。出資額は双方の株式購入額が1億円に達するまでとして、取得期間は6カ月間を予定している。

■独自印刷技術を活用した新製品でシェア拡大目指す

 中期経営計画(新型コロナ影響を受けたため21年6月4日に計画見直しを発表)では、目標値を最終年度26年3月期売上高300億円、営業利益16億円、営業利益率5.3%、ROE10%、配当性向25%とした。

 製品別売上高の計画は片面板が101億円、両面板が127億円、金属基板が26億円、実装関連が32億円、新事業が10億円(超厚銅基板が8億円、プリンタブル基板が2億円)、その他が4億円としている。また地域別の売上構成比の計画は日本が41%、中国が22%、ASEANが26%、北米その他が11%としている。製品別では両面板と金属基板の拡大、地域別ではASEAN(ベトナム)の売上拡大を図る方針だ。

 6つの重点戦略(グローバル生産・販売戦略、企業間連携戦略、効率化戦略、技術戦略、財務戦略、人財戦略)は変更なく、アライアンスも活用してグローバルニッチトップメーカーを目指すとしている。

 グローバル生産・販売戦略では最適な供給網の再構築(ベトナム工場第1期フル稼働、両面事業・営業拠点の再編)や片面シェア拡大による利益確保など、企業間連携戦略ではEMSメーカー・商社との連携マーケティングによる製品開発・販路拡大や同業他社との相互補完関係構築など、効率化戦略では自働化・IT化による生産効率向上やDX活用による業務効率化推進など、技術戦略ではプリンタブル関連基板の事業化や0603対応微細基板の技術提案など、財務戦略では自己資本強化や持続的・積極的な株主還元など、人財戦略ではマネジメント人材の育成やESG・SDGsへの取り組みなどを推進する方針だ。

■22年3月期は受注回復基調で大幅増益予想

 22年3月期の連結業績予想は、売上高が21年3月期比12.5%増の195億円、営業利益が3.0倍の3億円、経常利益が87.8%増の3億円、親会社株主帰属当期純利益が1億20百万円の黒字(21年3月期は1億35百万円の赤字)とした。配当予想は復元配で5円(期末一括)としている。

 受注が回復基調で大幅増益予想としている。ベトナム工場の量産体制の早期確立、新規コア製品の開拓、抜本的業務改善の継続、開発商品の事業化などを推進する方針だ。収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は5月の年初来高値圏から反落して上げ一服の形だが、一方では下値を着実に切り上げている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7月19日の終値は333円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円37銭で算出)は約40倍、今期予想配当利回り(会社予想の5円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS434円76銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約49億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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