23日の香港市場概況:ハンセン1.8%高で3日ぶり反発、科技指数は2.7%上昇

2021年6月23日 18:00

印刷

記事提供元:フィスコ


*18:00JST 23日の香港市場概況:ハンセン1.8%高で3日ぶり反発、科技指数は2.7%上昇
23日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比507.31ポイント(1.79%)高の28817.07ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が204.11ポイント(1.95%)高の10673.91ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は1565億6100万香港ドルにやや拡大している(22日は1413億7600万香港ドル)。


米ハイテク株高を好感した買いが先行する流れ。昨夜の米株市場では、早期の利上げ観測が後退する中、ナスダック指数が0.8%高と続伸し、約1週ぶりに最高値を更新した。中国の金利低下もプラス。中国10年国債利回りは上昇一服し、足もとでは6月3日以来の低水準で推移している。香港市場では、ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は2.7%高と他の指数をアウトパフォームした。米中関係の悪化懸念などで上値の重い場面が朝方みられたものの、指数は中盤から上げ幅を拡大している。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー:2382/HK)が7.0%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.8%高、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が5.2%高と上げが目立った。吉利汽車株は5月安値からの上昇率が50%を超えている。


セクター別では、半導体が高い。晶門半導体(ソロモン・システック:2878/HK)が16.8%、華虹半導体(1347/HK)が7.6%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.0%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.0%ずつ上昇した(上海復旦微電子は上場来高値)。ICチップが世界的に不足する中、半導体業界の活況は続いている。


非鉄セクターも急伸。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が8.4%高、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が7.5%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.0%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.7%高、江西銅業(358/HK)が1.9%高と値を上げた。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、主要な非鉄の先物価格が高く推移している。


他の個別株動向では、バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が12.4%高。同社は23日、自主開発した髄膜炎菌ワクチン「MCV2」が国家薬品監督管理局に新薬承認されたと報告した。


半面、マカオのカジノ銘柄は売りが継続。美高梅中国HD(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)が2.4%安、澳門博彩HD(SJMホールディングス:880/HK)が2.1%安、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が1.4%安、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が0.9%安とそろって続落した。2022年に重要イベント(冬季五輪と党大会)を控える中国では、入境規制が来年後半まで継続するもよう——と伝わったことが嫌気されている。


一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.25%高の3566.22ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。自動車株、資源・素材株、医薬品株、公益株、保険・証券株なども買われた。半面、銀行株は安い。食品飲料株、海運株、不動産株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)《FA》

関連記事