ユーロ週間見通し:底堅い値動きか、ユーロ圏の景気回復への期待残る

2021年5月15日 14:44

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記事提供元:フィスコ


*14:44JST ユーロ週間見通し:底堅い値動きか、ユーロ圏の景気回復への期待残る
■弱含み、米インフレ進行を警戒してユーロ買い縮小

今週のユーロ・ドルは弱含み。欧州委員会によるユーロ圏の成長見通し引け上げを好感してユーロ買い・米ドル売りが活発となった。しかしながら、5月12日発表の4月米消費者物価指数の大幅上昇を受けてユーロ売り・米ドル買いが優勢となり、ユーロ・ドルは一時1.2052ドルまで下落する場面があった。取引レンジ:1.2052ドル-1.2182ドル

■もみ合いか、米製造業関連の経済指標が手掛かり材料に

来週のユーロ・ドルはもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備制度理事会(FRB)による緩和政策の縮小に市場の思惑が広がり、ユーロ・ドルの取引では売買が拮抗する可能性がある。ただし、米製造業関連の経済指標が市場予想を下回った場合、米緩和長期化の観測からユーロ買い・ドル売りに振れやすい。

予想レンジ:1.2080ドル−1.2180ドル

■強含み、行動制限緩和で景気回復への期待広がる

今週のユーロ・円は強含み。新型コロナウイルス感染抑制のための行動制限で欧州の緩和に対し日本は強化する方向になったことや、金利においても欧州上昇が目立ったことから、ユーロ買い・円売りが優勢になった。日本経済の停滞を意識したユーロ買い・円売りも観測された。取引レンジ:131円69銭−132円84銭。

■底堅い値動きか、ユーロ圏の景気回復への期待残る

来週のユーロ・円は底堅い値動きか。ユーロ圏の5月製造業PMI、5月サービス業PMIなどの経済指標が有力な手掛かり材料となりそうだ。前回実績をやや下回る可能性があるものの、ユーロ圏の景気回復への期待は失われていないため、米ドル・円相場に大きな動きがない場合、リスク回避的なユーロ売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・21日:5月マークイット製造業PMI(4月:62.9)
・21日:5月マークイットサービス業PMI(4月:50.5)

予想レンジ:132円00銭−133円80銭《FA》

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