【映画で学ぶ英語】『21ブリッジ』:C・ボーズマンの名セリフで覚えるcauseの意味

2021年4月15日 07:45

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 4月9日に公開された映画『21ブリッジ』は、ニューヨーク市マンハッタン島を舞台にしたアクション・サスペンスだ。

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 2020年に43歳の若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマンが主演しており、彼が出演する映画としては、日本で封切られる最後の作品となる。

 今回はこの映画におけるボーズマンのセリフを使って、causeという単語の様々な意味を覚えよう。

■映画『21ブリッジ』とは

 タイトルの「21ブリッジ」とは、ニューヨーク市の中心部マンハッタン島の出入り口である21基の橋をさす。劇中で8人の警官を殺傷して逃走した2人組のコカイン強盗が、マンハッタン島から出られないように、すべての橋を翌朝まで封鎖することにちなんでいる。

 この事件の捜査にあたる刑事が本作の主人公・アンドレ・デイヴィス(チャドウィック・ボーズマン)。彼は警官であった父親を犯罪者に殺されたため、警官殺しの犯人を情け容赦なく取り締まることから、警察内部でも悪評が立っていた。

 このため所轄の85分署の署長・マッケンナ(J.K.シモンズ)は機嫌が悪い。今回は麻薬絡みの事件のため、麻薬担当の女刑事・フランキー・バーンズ(シエナ・ミラー)がデイヴィスの相棒にされる。

 翌朝午前5時というタイムリミットまでにデイヴィスたちは犯人を逮捕することができるか? 緊迫した深夜のマンハッタン島を舞台に熾烈な追撃戦が展開されるのだった。

■今回の表現

 【cause】 [名詞]原因、理由、目的、大義

 今回はcauseという単語が名詞として使われるときの用例を、映画『21ブリッジ』のセリフから探してみた。

 最初は警察官が殺傷された現場でのマッケンナ署長との会話。警官殺しの犯人を射殺することが多いデイヴィスを揶揄する署長に、彼が応えるシーンだ。マッケンナのセリフに出てくるIAはinternal affairsの略で、法執行機関内部の監察部門のことである。

 McKenna: I heard you were with IA today. And I’d fucking love it if you were right back there tomorrow.
 マッケンナ:今日、監察だったそうじゃないか。明日もお呼びがかかりそうだな。

 Davis: If they give me cause.
 デイヴィス:それは理由があったらの話です。

 McKenna: Cause? Here’s your fucking cause right there. Okay?
 マッケンナ:理由だと?いいか、理由ならすぐそこにある。

 次は、相棒のバーンズにこれまで多くの犯人を射殺した動機を説明するセリフ。ちなみにperpとはperpetrator(犯人)を意味する俗語である。

 Burns: You killed a lot of perps in the last ten years.
 バーンズ:この10年間、だいぶ犯人を殺したそうじゃない。
 (中略)
 Davis: I’ve never fired without just cause.
 デイヴィス:俺は大義名分なしに発砲したことはない。

 最後は犯人の1人を射殺した後、残りのコカイン強盗に拳銃をかまえて放つセリフ。

 Davis: For guys like Ray, I'm natural causes
 デイヴィス:レイ(コカイン強盗の1人)のような奴らには、俺は自然死の原因だ。

■表現解説

 causeという単語が名詞として使われる場合、単に物事の原因という意味ばかりでなく、行為の理由・動機や大義名分を指すことがある。

 今回紹介したセリフのなかで3番目のものは、causeが「原因」という意味で使われている例だ。Natural causesとは人為ではない自然の原因を表しておりdeath by natural causes(自然死)のように用いる。

 この例では強盗がデイヴィス刑事に射殺されるのは「自然死」だという意味になる。このような一歩間違うと冗談にしかならないセリフもピタリと決まるところが、ボーズマンの卓越した演技力の証と言えるだろう。

 一方、1番目のセリフはcauseが「行為の理由」の意味で使われている例。デイヴィス刑事が犯人を射殺した理由で監察官から事情聴取されることを指している。

 さらにcauseは「理由/動機」という意味から発展して、「人を動かす理念/大義」の意味で用いられることも少なくない。この場合には、今回の表現の2番目にあげたようにjust cause(正当な理由、大義名分)やgood causeのように使われることが多い。

 ちなみにcauseは「~の原因となる、~を引き起こす」という他動詞で用いられることも覚えておきたい。たとえば、I'm sorry for any inconvenience this may cause(この度はご迷惑をおかけして申し訳ございません)は謝罪するときに使える便利な表現だ。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る

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