欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、欧州通貨売りもFOMCにらみ買い続かず

2021年3月16日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、欧州通貨売りもFOMCにらみ買い続かず
16日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。新型コロナウイルス感染再拡大などで欧州通貨売りに振れれば、ドルは下げづらい。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定を前に、積極的なドル買いは続かないだろう。

欧州でコロナまん延が再び警戒されるなか、前日にドイツやフランスがワクチン接種で英アストラゼネカ製の使用停止を発表。それを受けユーロ・ドルは1.1910ドル付近に、またポンド・ドルは1.38ドル半ばにそれぞれ下げ、欧州通貨売りを背景にドル・円は109円台で底堅く推移した。本日アジア市場でもおおむねその地合いが受け継がれているが、米10年債利回りの上昇は抑制されドル買いは限定的のようだ。ドル・円は底堅い半面、上値の重さも目立つ。

この後の海外市場では、経済指標が手がかり。ドイツZEW景気期待指数は前回から改善が見込まれるが、コロナ感染の再拡大でユーロへの下押し圧力が続きドルは下げづらい見通し。英国と欧州連合(EU)との関係も注視され、ポンド売りに振れればドルを支援しよう。ただ、今晩の米経済指標のうち、小売売上高や鉱工業生産など主要統計は前回から弱含むと予想される。欧米株安が回避されれば円買いは後退する一方、FOMCでの政策決定を前にドル買いは抑制されよう。

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 独・3月ZEW景気期待指数(予想:74.0、2月:71.2)
・21:30 米・2月小売売上高(前月比予想:-0.5%、1月:+5.3%)
・21:30 米・2月輸入物価指数(前月比予想:+1.1%、1月:+1.4%)
・22:15 米・2月鉱工業生産(前月比予想:+0.4%、1月:+0.9%)
・22:15 米・2月設備稼働率(予想:75.5%、1月:75.6%)
・23:00 米・3月NAHB住宅市場指数(予想:84、2月:84)
・23:00 米・1月企業在庫(前月比予想:+0.3%、12月:+0.6%)
・米連邦公開市場委員会(FOMC、17日まで)《FA》

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