日通、産業・事業・エリア別に最適なグローバル物流体制の構築目指す

2021年3月14日 17:12

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 日本通運は、3月8日から国内貨物輸送でハラール認証品質に対応した輸送サービスを開始した。

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 2014年にマレーシアで日系企業として初めてハラール物流認証を取得して以来、グローバルなハラール物流サービス構築に取り組んできた。国内で倉庫に関するハラール認証、ハラール専用鉄道コンテナ導入などに続き、今回段ボール1箱という少量貨物に対応するスピーディーなハラール輸送サービスが確立する。これにより、医薬品専門輸送、半導体専門輸送体制など専門輸送体制をさらに強化する。

 日通は1937年、第2次世界大戦中の物資円滑供給のため、鉄道輸送の発着両端の輸送を行う小運送業者をまとめる国策会社として発足した。1950年の「通運事業法」施行により民間企業として再出発し、日本経済の復興発展と共に事業を拡大してきた。

 2020年3月期の売上高は2兆803億円。全社調整を除いたセグメント別構成比は、物流事業が73.2%(うち国内が74.6%、米州が5.6%、欧州が7.4%、東アジアが6.8%、南アジア・オセアニアが5.6%)を占める。以下、各事業に関連する販売業・不動産業、リース、ファイナンスを行う物流サポートが21.2%、専門事業である警備が3.3%、重量品の運搬・架設を行う重量品建設が2.3%を占める日通の動きを見ていこう。

■前期(2020年3月期)実績と今期見通し

 前期売上高は2兆803億円(前年比2.7%減)、営業利益は前年よりも203億円減の592億円(同25.6%減)であった。

 営業利益減少の要因としては、米中貿易摩擦やコロナ禍などによる貨物需要減により、国内で131億円、米州で14億円など、物流事業が154億円の減益であった。さらに人件費の増加で警備が23億円、石油単価の下落、輸出梱包業務の取扱減により物流サポートが4億円、全社費用の増加により全社調整が37億円の減益となった。

 一方、国内で風力発電関係輸送の取扱増加により重量品建設が16億円の増益であった。

 今第3四半期(4-12月期)実績は、売上高が1兆4,987億円(前年同期比4.3%減)、営業利益491億円(同8.9%増)の中、今期は売上高2兆500億円(前年比1.5%減)、営業利益720億円(同21.6%増)を見込んでいる。

■中期経営計画(2018年3月期~2023年3月期)による推進戦略

 2023年3月期の売上高2兆4,000億円(対前期比15.4%増)、営業利益1,000億円(同68.9%増)を目指して次の戦略を推進する。

●1. 日本で培った顧客基盤、事業をグローバルに展開するコア事業の成長戦略

 ・顧客(産業)軸アプローチの強化: 医薬品産業は温度管理などの適正な品質管理を実現するサプライネットワークの構築。電機電子、自動車、アパレル、半導体産業は、各産業特性や変化に適合する物流専門化の推進。

 ・事業軸アプローチの強化: 物流と通関、商品企画、品質管理が連携した事業推進体制の構築。

 ・エリア軸アプローチの推進: 東アジア、米州、欧州などはエリア特性に応じた成長戦略推進。

●2. 日本事業の強靭化戦略

 ・重量品建設、警備、美術品輸送事業などの収益性改善。

 ・国内組織の大規模再編により、営業と事務の生産性向上。

●3. 純粋持株会社体制(HD体制)への移行

 ・2022年1月以降HD会社がグループ本社としてグループ事業の成長と変革を牽引する体制へ移行。

 「グローバル市場で存在感を持つロジスティックスカンパニー」を目指す日通の今後の動きを見守りたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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