MRO Research Memo(3):2021年12月期通期は12年連続の増収増益を予想。足元の業績順調

2021年3月3日 15:43

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記事提供元:フィスコ


*15:43JST MRO Research Memo(3):2021年12月期通期は12年連続の増収増益を予想。足元の業績順調
■今後の見通し

MonotaRO<3064>の2021年12月期通期の連結業績は、売上高は前期比23.4%増の194,220百万円、営業利益は同25.9%増の24,678百万円、経常利益は同25.8%増の24,738百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同25.4%増の17,273百万円と、売上高・各利益ともに20%を超えて成長する予想である。この計画が達成されれば、20期連続の増収、12期連続の増益となる。

売上高に関しては、前期(19.7%増)を超える23.4%成長を見込む。根拠の1つとして、足元の月次売上の好調がある。2020年12月(単体)は前年同月比で26.6%増、2021年1月(単体)は同27.4%増と、コロナ禍の第三波のなかで高成長を実現している。事業者向けネット通販事業では顧客ベースの拡大及び顧客生涯価値向上、既存顧客売上拡大施策に取り組む。引き続き顧客生涯価値の高い法人顧客をメインターゲットとして新規顧客の獲得のための投資を行う考えだ。新規口座の獲得目標は142万口座と2020年12月期の獲得数(139万口座)を上回る。既存顧客売上拡大に関しては、「ワンストップショッピング拡大」「商品を見つける時間の短縮」「商品到着時間短縮」をテーマに掲げ、新しく稼働させるシステムや物流拠点開発などを通じて推進する。購買管理システム事業に関しては、2021年12月期の売上高計画34,680百万円(前期比32.6%増)とし、2020年12月期を上回る成長を見込む。2020年12月期第4四半期からはコロナ禍の影響による停滞から回復基調であり、1年を通じて本来の成長力を取り戻す見込みだ。海外ロイヤリティは、欧米Zoro事業が2021年度も売上を伸ばしつつ粗利率及び販管費率を改善する見込みであり、ロイヤリティの受領も前期を上回る見込みだ。

売上総利益率は28.6%(前期比0.2ポイント上昇)と予想している。商品粗利率は2020年12月期と同レベルを予想するが、ロイヤリティの増加、注文単価の回復による配送料率の改善を見込んでいる。販管費率も15.9%と2020年12月期(15.9%)と同水準である。茨城中央SCの開設や新システムの本格稼働により減価償却費率やその他費用比率が上がる一方で、コロナ禍に関わる手当支給の減少による人件費率の低下、外部倉庫削減による設備賃借料率の低下、売上拡大に伴うスケール効果などが見込まれる。結果として、売上高営業利益率は12.7%(前期比0.2ポイント上昇)、金額は前期比25.9%増を予想する。同社は長年にわたり、売上高・利益ともに前期比で20%前後の成長を継続してきた。同社は、現在コロナ禍による需要停滞から反動増のフェーズに移っており、中小企業におけるデジタルシフトも追い風となり、同社を取り巻く事業環境は改善すると弊社では考えている。2021年12月期の新戦略となる茨城中央SCの稼働(4月)、新システム本格稼働(商品情報管理システム、受発注管理システム(上期の見込み))の効果が顕在化すれば、業績予想を超えてくることも期待できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《EY》

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