マザーズ市場2021年の動向と先物投資戦略 vol.2

2021年2月10日 19:54

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記事提供元:フィスコ


*19:54JST マザーズ市場2021年の動向と先物投資戦略 vol.2
以下は、2021年1月にフィスコマーケットレポーターの橋本 真依氏とフィスコの株式アナリストである小林 大純氏が、対談形式にて「マザーズ市場2021年の動向と先物投資戦略」ついて解説したものである。全5回に分けて配信する。

橋本:
確かに、2020年の日経平均がいかに大きく動いたかがわかりますね。ではマザーズ指数はどうだったのでしょう?


小林:
マザーズ指数も年間騰落率はおよそ33%という大幅な上昇になりました。また、その推移を見るとやはり上下に大きく振らされており、3月に安値527ptを付けたのち、10月には2006年以来の高値水準となる1368ptまで上昇する場面がありました。10月安値は3月安値のおよそ2.6倍にもなります。

橋本:
マザーズ指数も日経平均株価と同様に大きく動いたんですね。ただ、日経平均株価とマザーズ指数のグラフはやや形が異なるように思うのですが…

小林:
はい。2つのグラフを重ねてみるとそれがよくわかるかと思います。日経平均株価、マザーズ指数とも2019年末の値を100に置き換えてグラフにしてみると、3月安値を付けてから10月までは、マザーズ指数が日経平均を上回るペースで上昇していました。しかし、マザーズ指数は10月高値をピークにやや調整を強いられ、一方の日経平均株価は年末にかけても上昇基調が続きました。

橋本:
本当に、10月以降は両者の動きが大きく異なってきたように思います。なぜこのような動きとなったのでしょう?

小林:
それを知るために、10月を境にどのような環境変化があったのか見てみましょう。まず10月以前です。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて4月には1度目の緊急事態宣言が発令され、幅広い業種が経済活動の低迷による影響を受けました。一方で感染拡大を抑止する目的から、巣ごもり消費の拡大やテレワークの普及など、人々のライフスタイルや働き方に大きな変化が生じました。

小林:
ここでマザーズ市場に上場する企業がどういった顔ぶれなのか見てみましょう。こちらはマザーズ市場の株式時価総額上場企業の一覧です。フリマアプリ大手のメルカリを筆頭に、IT・インターネット関連企業が数多く上場していることがわかります。ちなみに大半がここ数年で上場しており、若く勢いのある企業が多いことも窺えますね。話を戻しますが、EC(電子商取引)などの巣ごもり消費の拡大やITを活用したテレワークの普及はこれらの企業にとって追い風として働いたわけです。

小林:
また、金融環境も大事な点です。コロナ禍でダメージを受けた経済を支えようと、主要国の中央銀行は大規模な金融緩和に踏み切りました。金利の低下や潤沢な資金供給は株式相場全体を押し上げることになりましたが、とりわけ新興成長株は緩和的な金融環境の恩恵が大きいとされています。これらの様々な要因が重なり、10月にかけてはIT関連を中心とした新興企業株に投資資金が向かうことになりました。

—「マザーズ市場2021年の動向と先物投資戦略 vol.3」に続く—《HT》

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