欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、ユーロ売り継続で押し上げ圧力

2021年2月8日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、ユーロ売り継続で押し上げ圧力
8日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今週の講演でハト派寄りの発言が見込まれ、ドル売り基調に振れやすい。ただ、ユーロ売りの地合いで、ドルは下げづらい展開となりそうだ。

前週末に発表された米雇用統計は失業率の改善が目立ったものの、非農業部門雇用者数は予想を下回った。また、想定外に弱い内容となった労働参加率から雇用情勢の回復の遅れが鮮明になり、ドル売り基調に。ユーロ・ドルは1.20ドル台に戻し、ドル・円は105円前半に弱含んだ。週明けアジア市場ではそうした流れが修正されユーロ・ドルは失速し、ドル・円は105円半ばに浮上。また、日経平均株価の29000円台回復で強気相場に振れ、リスク選好の円売りが主要通貨を押し上げドル・円の上昇を支援した。

この後の海外市場では欧州通貨や米国の長期金利・株価が手がかりとなろう。今週注目されるパウエルFRB議長の講演で引き続き今後の回復への慎重な見解が予想され、ドルは積極的に買いづらい。ただ、ドイツが新型コロナウイルスまん延に伴い制限措置を強化しており、域内経済への影響を懸念したユーロ売り・ドル買いに振れやすくドル・円の下落は避けられそうだ。一方、バイデン政権による追加経済対策は上下両院で成立する可能性から、長期金利や株価の上昇基調に変わりはなくドルは対円でも下値は堅い。

【今日の欧米市場の予定】
・02:00 メスター米クリーブランド連銀総裁オンライン討論会参加《FA》

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