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漁業などへの応用に向けて水中ドローンの開発が期待されており、それに伴いワイヤレス水中充電や情報通信技術の必要性が高まっている。ワイヤレスでの充電や情報通信が可能になれば、水中に常駐して長時間の作業を行うことが出来るようになるが、特にドローンが活用される海中でのワイヤレス給電は損失が大きく、技術的に難しいとされてきた。
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豊橋技術科学大学の研究グループは15日、従来と異なる方式のワイヤレス送受電器を開発したと発表した。
一般的にドローンはバッテリーで駆動するため、現在は充電のために作業を中断して何度も海中から引き上げる必要がある。そのような問題を解決するため、海中でのワイヤレス充電技術の開発が期待されている。
しかし、ドローンの姿勢制御や浮力制御などの観点から、送受電器は軽量かつコンパクトにする必要があり技術的ハードルは高いとされてきた。特に誘電率が高く導電性を有する海中では、一般的な給電効率の理論式が成り立たず、高効率化への目途は立っていなかった。
そこで今回の研究では、海水の導電性に注目して新たな等価回路モデルを構築し、設計において重要なパラメータを明らかにした。そのようにして設計した送受電器は、15センチメートルの距離でも85%以上の高い給電効率を示したという。さらに、広帯域にわたって高効率を維持できるため、給電だけでなく高速な情報通信も可能となった。
実験において使用された送受電器は、総重量が約270グラムと非常に軽量である点も実用化に向けた大きなメリットである。また、海水中での腐食を防ぐために送受電器表面には絶縁コーティングを施してあるが、効率には大きな影響はないという。
本研究における技術の応用が進めば、陸上で海中ドローンの全ての運用をすることが可能となる。例えば魚の養殖における水質管理、養殖網の清掃、生育チェックなどでも活用が見込まれる。日本の漁業従事者は高齢化が進み減少しているため、海中ドローンによって作業の自動化が進むことで、その対策となることが期待される。
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