日経平均は日中値幅130円程度での狭いレンジ取引、テーマ株物色は活況【クロージング】

2020年12月15日 16:20

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記事提供元:フィスコ


*16:20JST 日経平均は日中値幅130円程度での狭いレンジ取引、テーマ株物色は活況【クロージング】
15日の日経平均は反落。44.60円安の26687.84円(出来高概算11億1825万株)で取引を終えた。ニューヨーク市長が全面的なロックダウンの可能性を警告したほか、ロンドン市が最も厳格な封鎖を発表したこと、さらに国内ではGoToトラベルが全国一斉停止となるなど新型コロナ感染拡大による活動制限強化への警戒が高まった。売り先行で始まった日経平均は下値の堅さが意識されるなか、前場半ばには26736.84円とプラスに転じる場面がみられた。しかし、積極的な上値追いも限られ、26600円から12月SQ値辺りでの狭いレンジ取引が続いた。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1100を超え、全体の過半数を占めている。セクターでは空運が5%を超える下落となったほか、保険、鉄鋼、電力ガス、ゴム製品、海運、その他金融、銀行が冴えない。半面、パルプ紙、ガラス土石、非鉄金属、精密機器、石油石炭が小じっかり。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、中外薬<4519>、アサヒ<2502>、リクルートHD<6098>が軟調。一方でエムスリー<2413>、ファナック<6954>、第一三共<4568>、TDK<6762>、京セラ<6971>が下支え。

日経平均は日中値幅130円程度での狭いレンジ取引が続いた。下値の堅さは意識されていたが、市場参加者は限られており、短期的には仕掛け的な売買が出やすいだろうが、大きくトレンドが変化してくるにはエネルギー不足といったところ。ワクチンが供給され接種が始まったことは安心感につながるものの、ワクチンが広く行き渡るまでの経済状況の悪化リスクはくすぶる。また、米国では追加経済対策の行方を引き続き見極めたいほか、英国のブレグジットの行方も気掛かりであり、これらの進展を見極めるまでは年末高を意識した物色も盛り上がらないだろう。

なお、本日はIPOが2社上場したが、いずれもコンセンサスを上回る好スタートを切った。これまでのように寄り付き後から急動意をみせるといった動きとはならなかったが、今週だけであと10社の上場が控えているため、好循環に期待したいところである。その他、テーマ株の一角も引き続き物色されており、ここにきて防衛関連への物色が強まっている点に対して市場関係者の中で話題となっていた。《CN》

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