中国語の発音を矯正する最適な教材は? オススメの早口言葉6選

2020年12月14日 16:40

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 日本人にとって中国語の発音が難しい最大の理由は、日本語には無い発音が多く含まれているからだ。その代表的なものが巻き舌音と呼ばれる「shi,zhi,chi,ri」、そして北京語に顕著な儿化(アールホア、例:在哪儿 zàinǎr )である。

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 また、日本語では区別しない発音を正しく言い分けるのも難しく、これが原因で自分の意図したことが正しく相手に伝わらないことが多い。下記がその代表的なものだ

 ・ン「n」と「ng」…例「山(shan)」「上(shang)」
 ・シ「xi」と「shi」…例「希(xi)」「失(shi)」
 ・ドン「dong」と「deng」…例「东(dong)」「灯(deng)」
 ・リ「li」と「ri」…例「利(li)」「日(ri)」
 ・ル「lu」と「lü」…例「路(lu)」「绿(lü)」

 発音が難しい中国語の単語や、日本語では区別しない発音について効率よく訓練するためには、早口言葉がオススメだ。日本でもアナウンサーが正しくきれいな日本語を身につけるために、早口言葉を練習する。

 発音の使い分けがより複雑で難しい中国では、古くから早口言葉が発展してきた。中国5千年の歴史の誕生とほぼ同じ時期には、早口言葉の原型が作られていたという伝承があるくらいだ。中国の早口言葉の起源や発展の歴史に興味がある人は下記のサイトを参考にしてほしい。

百度百科 绕口令

■中国語の発音を矯正するために練習したい早口言葉

●1.四十四

 ・「shi」などの巻き舌音は日本人にとって最も難しい発音の1つだ。早口言葉を聞く時は空気の摩擦音に注意しよう。十「shi」を発音する時、空気が吹き出す「シューッ」という力強い音が聞こえる。ネイティブの発音を聞くとわかりやすいので、後に続いて練習してみよう。

●2.东洞庭,西洞庭

 ・前鼻音「en」「an」と後鼻音「ang」「eng」「ing」「ong」を区別して発音する練習をしよう。前鼻音「n」は、日本語で「案内」という時の「ん」に近い音、後鼻音「ng」は、 日本語で「案外」という時の「ん」に近い音だ。

●3.盆和瓶

 ・「ing」「en」「eng」の違いが明確になる。

●4.画凤凰

 ・「f」と「h」の発音の違いがクリアになる。fは英語のfと同様に、上の前歯が下唇に軽く触れるように発音する。

●5.八百标兵

 ・有気音「p」と無気音「b」を区別して発音する練習に最適な早口言葉だ。有気音は息を強く吐いて発音し、無気音は息を弱めに吐いて発音する。

●6.葡萄皮儿

 ・儿化の練習に適切な早口言葉。

 リズムに合わせてテンポよく練習できる早口言葉は、覚えやすいだけでなく、記憶に残りやすく忘れない。発音練習に最適な早口言葉はまだまだ沢山あるので、下記のサイトで自分の苦手な発音が練習できるものを探してみよう。

绕口令大全

 中国語の早口言葉全文をワードにコピーペーストしてルビ表記に転換するだけで、簡単に自家製の教材が作成できる。ネイティブの発音が聞きたければ、YouTubeに早口言葉のタイトルを入力して検索してみよう。(記事:薄井由・記事一覧を見る

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