ECB追加緩和でユーロはどうなる?

2020年12月11日 18:04

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●追加緩和決定

 ECB(欧州中央銀行)は新型コロナウイルス第2波への経済対策として、追加の金融緩和を決定した。

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 パンデミック緊急購入プログラムの規模を5000億ユーロ拡大、期間も9カ月延長し2022年3月までとした。欧州各国のロックダウンによる経済の落ち込みに対処する姿勢を見せた。

 ECBの物価上昇率2%の目標を達成するために、金融緩和を続ける姿勢だが、一方で足かせとなっているドル安ユーロ高を止める狙いもある。

●ユーロ高が続く

 ユーロ=ドルは12月に9月の年初来高値1.2012ドル台を超えてから、1.2ドル台が続く。

 経済活動再開への期待から欧州株へも買いが入り、ユーロ買いへとつながっている。

 インフレ目標を達成するためには、輸入物価下落の原因になるユーロ高を止めたいという思惑がECBにはある。今回の追加緩和は市場では織り込み済みだったため、ユーロ安に誘導する効果はなかった。

●通貨安競争は続く!?

 ユーロ安の要因になりうる爆弾があるとするなら、ブレグジットだろう。

 EUと英国との通商協議は難航しており、年内の合意はほぼ不可能という悲観的な見方がある。

 年内に部分合意さえなければ、英国通貨ポンドが売られることはもちろんだが、ユーロにも間違いなく波及するだろう。

 米国も超低金利政策の継続を明言しており、FRBもECB同様に2%目標を維持するために金融緩和を当面続ける。通貨安競争のような状態は当面続くだろう。

 9月にECBが「ユーロドルのレートは重要問題」と発言したことがユーロ高へのけん制と取られ、一旦ドル高ユーロ安が進んだことがあった。通貨安競争が続けば、今後ECBからけん制のようなことがあるかもしれない。

 ワクチン期待から上昇している株価も、そもそもECBだけでなく緩和であふれた金が世界各国で資産バブルになって上がっている。

 セルザファクトによって、バブルが弾けることにも注意が必要で、その時にはユーロ安に進むこともあり得るので、右肩上がりの上昇には警戒しなくてはならない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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