欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、ECB理事会後はドル買いも利益確定売り

2020年12月10日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、ECB理事会後はドル買いも利益確定売り
10日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。欧州中銀(ECB)のユーロ高けん制でドル買いに振れやすい展開が見込まれる。ただ、足元で一段のドル買い要因は乏しく、104円台後半は利益確定などの売りに押されそうだ。

焦点となっていたジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州連合(EU)委員長との会談で、ブレグジット後の自由貿易協定(FTA)の交渉について13日まで継続することで一致した。協議の合意持ち越しを受けポンドはいったん売られたが、その後は買い戻された。本日アジア市場はポンド・円主導でクロス円が堅調な値動きとなり、ドル・円は104円半ばに浮上。日経平均株価の序盤の弱含みや中国のオーストラリア産ワインへの制裁など円買い要因が強まったものの、クロス円は上昇基調を維持しドル・円はそれに追随した。

この後の海外市場ではECB理事会やラガルド総裁の記者会見が注目される。政策金利は据え置きの公算だが、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模拡大など追加的な金融緩和が織り込まれている。一方、1.21ドル付近に浮上したユーロに当局者から上昇がけん制されればユーロ売り・ドル買いに振れ、ドル・円を押し上げる展開となりそうだ。ただ、英国とEUの根強い合意期待などで、安全通貨のドルへの買いは縮小の見通し。また、ドル・円は104円半ばから後半は重厚な売りが観測されており、一段高は想定しにくい。

【今日の欧米市場の予定】
・21:45 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(0.00%に据え置き予想)
・22:30 ラガルドECB総裁会見
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:72.5万件、前回:71.2万件)
・22:30 米・11月消費者物価指数(前年比予想:+1.1%、10月:+1.2%)
・03:00 米財務省・30年債入札
・04:00 米・11月財政収支(予想:-2000億ドル、19年11月:-2088.83億ドル)
・EU首脳会議(11日まで)《FA》

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