SQ通過後はテーマ株などでの短期的な値幅取り狙いの売買が中心に【クロージング】

2020年12月10日 16:43

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記事提供元:フィスコ


*16:43JST SQ通過後はテーマ株などでの短期的な値幅取り狙いの売買が中心に【クロージング】
10日の日経平均は反落。61.70円安の26756.24円(出来高概算11億8000万株)で取引を終えた。米国市場の下落の影響から売りが先行する格好となったが、寄り付き直後に付けた26639.98円を安値にその後は下げ渋る展開から、後場には26800円を回復する場面がみられた。メジャーSQを明日に控えて積極的な売買は手控えられたが、ソフトバンクG<9984>が終日強含みの展開から日経平均を約177円下支えしたことが、全体の底堅さにつながっていた。一方でナスダックが大きく下落した影響もあり、ハイテクセクターへは利益確定の流れが優勢となった。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは海運が2%の下落となったほか、金属製品、ガラス土石、精密機器、保険、機械、化学が冴えない。一方で、ソフトバンクGの大幅上昇によって情報通信が2.8%の上昇だったほか、水産農林、石油石炭、空運、電気ガス、鉱業、輸送用機器がしっかり。指数インパクトの大きいところではダイキン<6367>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、TDK<6762>、オムロン<6645>が軟調。一方でソフトバンクGのほか、エーザイ<4523>、トヨタ<7203>、キヤノン<7751>がしっかり。

米国市場の下落影響から下に仕掛けてくる流れも見込まれたが、小幅な値幅ではあるが5日線を挟んでの底堅さが意識されていた。メジャーSQを控えてロールオーバーは概ね一巡していたとみられるが、積極的にポジションを取りに行く流れは限定的であり、東証1部の出来高も11億株程度にとどまっている。また、やや景気敏感株への物色がみられていたが、ハイテクの利益確定に対して景気敏感の買い戻しといったリバランスにとどまっており、明確に物色対象のシフトはみられていない。結果、NT倍率は15.09とほぼ横ばいながらも反発をみせている。

全般こう着のなか、物色は政府主導による国策テーマに関連した銘柄への循環物色が続いている。本日は全固体電池への関心が高まっていたが、SQ通過後は海外勢のクリスマス休暇に入ることから商いが細りやすいことを鑑みれば、引き続きテーマ株などでの短期的な値幅取り狙いの売買が中心になりやすいだろう。《CN》

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