名村造船、シルバーライフ、ソフトバンクGなど/本日の注目個別銘柄

2020年12月10日 16:19

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記事提供元:フィスコ


<9743> 丹青社 851 +29大幅続伸。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は45億円で前年同期比0.6%増となった。上半期の同38.2%増から増益率は大きく鈍化も、通期予想は従来の37億円から40億円に上方修正している。売上計上時期が後ずれとなる案件もあるが、収益性重視の事業活動や営業経費抑制など奏効しているもよう。8-10月期も受注高は減少しているが、収益性の向上を評価する動きが優勢となっている。

<3228> 三栄建築 1567 -142大幅続落。前日に11月の戸建分譲事業の業績動向を発表している。契約棟数は前年同月比9.6%増、契約金額は同3.3%増となっている。ともに7カ月連続でのプラス成長とはなっているが、5月以降はほぼ30%以上の成長が前月にかけて続いていたなか、11月は伸び率が急速に鈍化する格好となっている。10月の株価急伸後の安値水準も割り込んだことで、見切り売りの流れが優勢となっているようだ。

<3569> セーレン 1587 +22大幅続伸。2025年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債150億円の発行を発表した。主に国内外の設備投資資金に充当するもよう。転換価額は1878円で前日終値に対するアップ率は20.0%となっている。発行済み株式数に対する潜在株式数の比率は14.38%となる。一方、発行時み株式数の3.96%に当たる220万株、30億円を上限とした自社株買いの実施も発表、本日の立会外取引で取得を終了している。

<6928> エノモト 1427 -11続落。固体高分子型燃料電池向けに、山梨大学と共同開発した新型セパレーターセルの中規模量産に乗り出すと一部で報じられた。月産数万枚が可能な自動化ラインを構築中で、1分当たり200mm四方のセル1枚を生産できる見込みとなっている。リチウムイオン電池や燃料電池などの関連銘柄が軒並み買い進まれるなか、同社にも物色の矛先が向かう展開となったものの、急上昇に対する警戒感から次第に利食い売りが優勢に。

<7014> 名村造船 199 +43大幅反発で上昇率トップに。人気化している水素関連の一角として注目されているようだ。同社は岩谷産業<8088>、関西電力<9503>、東京海洋大学、日本政策投資銀行などとともに、水素で駆動する水素燃料電池船の商用運行に向けた検討を開始と先に発表している。2025年の大阪万博での実用化を目指しているもよう。また、本日は一部証券紙でも水素関連として取り上げられているようだ。

<9508> 九州電力 878 +32大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も1040円から1140円に引き上げている。課題であった川内原子力発電所の特重施設の建設工事のメドがついたこと、小売販売電力量が好調である点などをポジティブと評価している。また、21年3月期経常利益は会社計画450億円を上回る470億円に上方修正。

<9984> ソフトバンクG 8306 +817大幅続伸。株式非公開化について、「スローモーション」MBOを検討していると前日に伝わった。孫正義氏の持ち分が他の株主を締め出すことができる程度に大きくなるまで少しずつ発行済み株式を買い戻すという戦略とされる。SMBC日興証券では、この際、10000円よりもディスカウントされた株価水準では自社株買いを進める可能性と指摘しているようだ。また、出資する米ドアダッシュのIPO好スタートなども材料視。

<4813> ACCESS 762 -53大幅反落。前日に第3四半期決算を発表、累計営業損益は25.4億円の赤字となり、前年同期比14.7億円の損益悪化となっている。8-10月期も7.5億円の赤字となっている。IoTサービス開発・構築案件の規模縮小・延期・中止などが生じているほか、ロイヤリティ収入の減少、新規開発投資の強化による減価償却費の増加などが収益悪化の背景。収益の底打ち感が見られなかったことで、失望売りが優勢となっている。

<9262> シルバーライフ 2266 +228大幅反発。前日に発表した第1四半期決算内容が好感されている。営業利益は3.3億円で前年同期比66.4%増益、通期予想である6.5億円、前期比30.4%減に対して進捗率は過半を超えている。業績上振れへの期待感が高まる状況となっているようだ。食材値下げの影響が一巡したことで、FC加盟店の売上が2ケタの伸びとなっている。コロナ対策のWEB説明会なども好評のもよう。

<5706> 三井金 3535 +200大幅続伸。電流の流れを左右する「固体電解質」と呼ばれる素材の生産に乗り出すと報じられている。21年には企業の試作レベルの発注量に対応できる年間数十トン規模をつくれるようにするもよう。EVの次世代基幹技術として本命視される「全固体電池」の実用化へ向けた取り組みとして注目される形になっているようだ。なお、トヨタでは同電池の搭載車を2020年代前半に販売する方針としている。《ST》

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