ナフコ Research Memo(4):2021年3月期第2四半期累計は計画超の増収・大幅増益

2020年12月3日 15:04

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記事提供元:フィスコ


*15:04JST ナフコ Research Memo(4):2021年3月期第2四半期累計は計画超の増収・大幅増益
■業績動向

1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
ナフコ<2790>の2021年3月期第2四半期累計業績は、売上高が前年同期比9.7%増の126,865百万円、営業利益が同154.8%増の13,711百万円、経常利益が同146.3%増の13,910百万円、四半期純利益が同158.1%増の8,465百万円となった。2020年7月31日に上方修正した、売上高121,235百万円、営業利益9,434百万円、経常利益9,687百万円、四半期純利益5,799百万円を上回る増収・大幅増益で着地している。

売上面では、コロナ禍に伴う巣ごもり消費の拡大、熊本県を中心とする豪雨からの復旧・復興需要、8月の記録的猛暑、台風10号接近対策などが追い風となり、主力の資材・DIY・園芸用品を中心に好調に推移した。利益面では、増収による売上総利益の増加に加えて、PB商品比率上昇や値下げ抑制により売上総利益率が上昇したことに加え、「3密」回避のための販促抑制などにより広告宣伝費やポイント関連費用が減少したことも寄与した。これにより、売上総利益率は前年同期比2.0ポイント上昇の34.7%、販管費比率は同4.1ポイント低下の23.9%となった。

(1) 店舗展開
2021年3月期第2四半期累計の店舗展開としては、新規出店が1店舗(中四国地区)、閉店が2店舗(関西地区)、増床が1店舗(九州地区)となり、2021年3月期第2四半期末時点の店舗数は34府県357店舗となった。なお、新規出店は東鳥取店(鳥取県)で、2020年6月にオープンしたコンビネーションストアタイプの大型店(2,768坪)となる。

(2) 既存店売上高の動向
既存店売上高・客数・客単価の推移については、2021年3月期第2四半期累計で既存店売上高は前期比110.6%と好調に推移した。客数は同108.5%、客単価は同101.8%となった。

2021年3月期上期全般にわたってコロナ禍に伴う巣ごもり消費が追い風となったことに加え、7月には豪雨被害復旧需要、8月には記録的猛暑も寄与した。9月は前年の消費増税前駆け込み特需の反動減があったものの、台風10号接近対策により防災関連の需要が発生した。

(3) 商品別の動向
商品別の動向は以下のとおりである。全商品分野で売上総利益率が上昇したことが特徴である。

資材・DIY・園芸用品の売上高は前年同期比15.7%増の59,497百万円、売上総利益は同21.7%増の21,600百万円、売上総利益率は同1.8ポイント上昇の36.3%となった。外出自粛に伴う巣ごもり消費拡大により、園芸用品や木材が好調だったほか、九州での大雨被害や台風対策のため、作業用品などが好調に推移した。

生活用品の売上高は前年同期比7.1%増の33,851百万円、売上総利益は同18.4%増の9,874百万円、売上総利益率は同2.8ポイント上昇の29.2%となった。新型コロナウイルス感染予防としてマスクやアルコール除菌商材が好調に推移しているほか、巣ごもり需要により調理用品や清掃用品などが好調に推移した。

家具・ホームファッション用品の売上高は前年同期比3.8%増の23,496百万円、売上総利益は同7.5%増の9,464百万円、売上総利益率は同1.4ポイント上昇の40.3%となった。前年の消費増税駆け込み需要の反動減が大きく影響したが、コロナ禍に伴う在宅勤務の増加等によりデスクチェアなどが好調に推移した。

その他の売上高は前年同期比0.1%増の10,019百万円、売上総利益は同7.3%増の3,118百万円、売上総利益率は同2.0ポイント上昇の31.1%となった。自動車用除菌消臭剤などカー用品が好調に推移した。


安定的な財務基盤で、財務の健全性は高い

2. 財務状況と経営指標
2021年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比15,504百万円増加の236,542百万円となった。売上増加に伴い、現金及び預金が18,281百万円増加した。有利子負債は1,078百万円減少し、有利子負債比率は1.1ポイント低下して9.8%となった。自己資本比率は63.5%と0.9ポイント低下したものの、引き続き高水準である。この結果、安定的な財務基盤で、財務の健全性は高いと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)《YM》

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