C&R社 Research Memo(10):売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す

2020年11月10日 15:10

印刷

記事提供元:フィスコ


*15:10JST C&R社 Research Memo(10):売上高1,000億円、営業利益100億円を目指す
■中長期の成長戦略

1. 今後の事業戦略
クリーク・アンド・リバー社<4763>はプロフェッショナル分野という定義で、テレビ・映像、ゲーム、Web、医療、会計、法曹等多くの分野で事業を展開しているが、今後は既存事業領域の深掘りに加えて周辺領域への展開をさらに進めていく方針となっている。2020年にはアスリートやCXO分野のエージェンシー事業を開始しており、現在の17分野から最終的に50分野まで領域を広げていく考えだ。また、プロフェッショナル人材として現在の29.2万人超から150万人、顧客数は3.8万社から15万社に拡大することを目標としている。

さらに、同社はクリエイティブ分野における事業拡大と収益の安定性向上を図るため、成長の源泉となる派遣スタッフの採用・育成にも注力していく方針だ。請負事業の売上依存度が高まると収益変動リスクも高まるためで、事業を安定的に拡大していくためには派遣事業と請負事業を両輪としてバランスよく拡大していくことが重要と考えている。派遣人材については3年程度の経験を積めば請負業務に振り向けることが可能となるため、結果的に請負事業の能力拡大にもつながる。

収益性向上施策としては、プロフェッショナル人材エージェンシーからプロフェッショナル知財エージェンシーへ進化していくことを目指している。従来は派遣・紹介、請負といった人材サービスを中心に事業分野を拡大しながら成長を続けてきたが、今後は人材サービスに同社が保有する知財を活用することで新たな価値(サービス・商品)を創出し、事業規模の拡大とともに収益性も向上していく戦略となる。例えば、VR事業では撮影や編集業務を行うプロフェッショナル人材だけでなく、そのツールも併せて提供することで、付加価値の高い事業に昇華させていくことが可能となる。

2. 業績目標値
同社は、長期的な業績目標として売上高で1,000億円、営業利益で100億円を掲げている。営業利益率はプロフェッショナル知財エージェンシーへの取り組みを推進していくことで、2020年2月期の6.3%から10.0%まで引き上げていくことを目指している。

目標の早期実現のため、グループ会社のIPOによる資金調達も戦略の1つとして掲げている。IPOの対象となるのはVR Japanのほか、専門職の転職・求人サイトを運営するプロフェッショナルメディア、法曹向けSNSプラットフォームの開発・運用を行うCREEK & RIVER Global、AIソリューションサービスを提供するIdrasys、ビッグデータ分析サービスを行うエコノミックインデックス等が候補となる。IPOにより調達した資金は事業成長のための投資に充当していくほか、新たなM&A資金としても活用していく方針としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《NB》

関連記事