日本で発見された新種の寄生バチ、ゴジラと名付けられる

2020年11月9日 08:23

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 昆虫・クモ・線形動物に関するカナダ国立コレクション(CNC)や大阪府立大学などの研究グループが新種の寄生バチを日本で発見し、「Microgaster godzilla」と命名した(論文プレスリリースLive Scienceの記事動画)。

大阪と京都の池で発見されたM. godzillaの幼虫はヒメマダラミズメイガの幼虫に寄生しており、メスの成虫は宿主に産卵するために潜水する。メスは水上に浮かんだ植物の上を歩き回って触覚で水中の宿主を探し、発見すると水中に潜って攻撃する。水面に出てきた宿主に産卵管を突き刺して産卵し、孵化した幼虫は成熟するまで宿主の体内で過ごすという。

M. godzillaは怪獣のゴジラにちなんだ学名で、「日本に分布する」「水中から姿を現す」「虫の怪獣であるモスラと戦う」といった点が命名の決め手になったことが論文に記述されている。

水生の寄生バチとしては、ゲンゴロウの卵に寄生するPrestwichia aquaticaやトンボの卵に寄生するHydrophylita aquivolans、ミドロミズメイガに寄生するApsilops japonicus(ミズメイガトガリヒメバチ)などが発見されており、水中を泳ぐ様子も記録されているが、M. godzillaは実験環境で宿主捜索から産卵までが映像に収められた。産卵は一瞬の早業である。

論文の筆頭執筆者、Jose Fernandez-Triana氏は米国で発見された新種のハチに野球選手のイチロー氏から名を取って Diolcogaster ichiroiと命名している。

 M. godzillaとD. ichiroiはいずれもサムライコマユバチ亜科の昆虫だ。ちなみに、D. ichroiはフロリダの固有種であり、研究者が当時フロリダ(マイアミ・マーリンズ)でプレイしていたイチローのファンだったことが命名理由に挙げられている。

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