しばらくは中小型の成長銘柄での循環物色が中心【クロージング】

2020年8月24日 16:40

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記事提供元:フィスコ


*16:40JST しばらくは中小型の成長銘柄での循環物色が中心【クロージング】
24日の日経平均は続伸。65.21円高の22985.51円(出来高概算7億7600万株)で取引を終えた。朝方は小反落で始まった後に22862.54円まで下げる場面がみられたが、その後はじりじりと切り返す流れとなり、前場半ばには23000円を回復する場面もみられた。しかし、先週末の米国市場の上昇対するハイテク株への反応は限られており、反対にファーウェイ問題等を巡る米中対立への警戒感から東エレク<8035>は神経質な値動きに。そのため次第にこう着感が強まる格好となり、後場の日経平均の値幅は70円程度にとどまっている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数、値下り数が拮抗。セクターではその他製品、機械、小売、金属製品、化学、卸売がしっかり。半面、ゴム製品、海運、非鉄金属、空運、鉄鋼、不動産、水産農林が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、中外薬<4519>、日産化<4021>が堅調。一方で東エレク、ファナック<6954>が冴えない。

東証1部の出来高は7億株台、売買代金は1.5兆円にとどまる薄商いとなるなど、市場参加者が限られる中においては、底堅い相場展開だったであろう。ジャクソンホール会議が27~28日に開催され、27日にはパウエルFRB議長の講演が予定されていることもあり、先高期待は強そうだが先回り的な動きとまでは行かないようだ。また、米国の上昇についてもアップルなどクオリティ株への物色による影響が大きく、一部に集中している。日本においてもマザーズの成長銘柄などに個人主体の資金が集中する流れと同様であろう。

一方で東エレクの値動きは弱く、ナスダック上昇に対するハイテク株への反応は限られている。売買代金が1.5兆円にとどまっている状況では仕掛け的な売買も入りづらく、全体としては方向感が出にくい需給状況と考えられる。そのため、しばらくは中小型の成長銘柄での循環物色が中心となりやすく、日経平均の23000円を挟んでのこう着は続きそうである。もっとも、中小型株についても資金回転が速いこともあり、一気に資金シフトを警戒しておく必要はありそうだ。ただ、大きく調整する局面においても急速に切り返しをみせてくる銘柄も少なくないため、予想以上に個人投資家の需給は良好であろう。《CN》

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