売り先行後は下げ幅縮め、TOPIXはプラスに転じる【クロージング】

2020年7月27日 16:20

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記事提供元:フィスコ


*16:20JST 売り先行後は下げ幅縮め、TOPIXはプラスに転じる【クロージング】
27日の日経平均は小幅に続落。35.76円安の22715.85円(出来高概算11億6000万株)で取引を終えた。連休中の米国市場ではハイテク主導の下落となったほか、米中対立への警戒が高まるなか、日本株市場は幅広い銘柄に売りが先行した。しかし、22500円を割り込んで始まった日経平均は、寄り付き直後に付けた22429.57円をボトムにじりじりと下げ幅を縮める展開となった。前引けのTOPIXが0.50%下落だったことから後場は日銀のETF買い入れ観測が需給面での下支えとなるなか、後場半ばには22741.13円まで下げ幅を縮めていた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1400を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは、海運、精密機器、証券、電気機器、ガラス土石、サービスが冴えない半面、電力ガス、保険、水産農林、倉庫運輸、銀行がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、中外薬<4519>、ファーストリテ<9983>、アドバンテスト<6857>、エムスリー<2413>が軟調。一方で、KDDI<9433>、第一三共<4568>、セコム<9735>、信越化<4063>がしっかり。

ギャップダウンから25日線を割り込んで始まった日経平均だったが、寄り付き後早い段階で25日線を上回ってきており、同線での底堅さが意識される格好となった。寄り付き後早い段階で下げ幅を縮めてきたことにより、短期筋の買い戻しを誘う流れとなっている。米国同様、値がさハイテク株の一角が弱含みとなったことから上昇に転じることは出来なかったが、TOPIXはプラスで終えており、底堅さが意識される展開となった。

グローベックスのNYダウ先物は100ドル、ナスダック100先物は50Pt程度の上昇で推移しており、週明けの米国市場で小幅ながらも反発をみせてくるようであれば、日経平均の25日線レベルが支持線として意識されてくるだろう。ナスダックは25日線で踏ん張りをみせていたこともあり、反発となればこちらも25日線が支持線として意識され、足元で利益確定の流れが続いているハイテク株に対する自律反発の動きも期待されてきそうである。

もっとも、日米ともに決算発表が本格化する中、個別の決算に大きく振らされやすい面はあるだろう。新型コロナウイルス感染症の影響から今期大幅減益が見込まれる企業が多いだろうが、これを織り込んでいるとはいえ、やはり減益決算発表となれば押し目買い意欲も後退させる可能性はある。今週は780社程度の決算が予定されていることもあり、次第に様子見ムードが強まりそうである。ただし、日本電産<6594>のように決算が評価された企業へは継続的に資金流入がみられていることもあり、跛行色が強まりやすいだろう。《CN》

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