15日の米国市場ダイジェスト:NYダウ227ドル高、ワクチン実用化期待広がる

2020年7月16日 08:41

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記事提供元:フィスコ


*08:41JST 15日の米国市場ダイジェスト:NYダウ227ドル高、ワクチン実用化期待広がる
■NY株式:NYダウ227ドル高、ワクチン実用化期待広がる

米国株式相場は続伸。ダウ平均は227.51ドル高の26870.10ドル、ナスダックは61.92ポイント高の10550.49ポイントで取引を終了した。ウイルスワクチン開発が異例の速さで進んでおり年末までの実用化期待が広がったほか、投資銀行ゴールドマンサックスの好決算や、予想を上回った米国経済指標が好感材料となり上昇で寄り付いた。ハイテク株には依然利益確定売りが散見され一時上げ幅を縮小したが米国政府の追加財政策やFRBの追加緩和期待に底堅い展開となった。セクター別では、自動車・自動車部品が上昇した一方、小売りが下落した。

製薬会社モデルナ(MRNA)は、開発中の新型コロナウイルスワクチンの初期の治験で、参加者全員に抗体の生成が確認できたと発表し実用化期待から急伸。ワクチンへの期待が広がったため大手航空会社のアメリカン航空(AAL)、デルタ航空(DAL)やクルーズ運営するカーニバル(CCL)、ノルウエージアンクルーズライン(NCLH)が軒並み急伸した。ゴールドマンサックス(GS)は第2四半期決算でトレーディング収入93%増益を発表、アナリスト予想を上回る結果が好感され上昇した。携帯端末のアップル(AAPL)はEUの130億ユーロ追微課税巡る裁判で勝訴したほかアナリストによる目標株価引き上げが好感され上昇。一方で、経済活動再開に連れた需要鈍化見通しでオンライン小売りのアマゾン(AMZN)は3営業日続落となった。連邦準備制度理事会(FRB)が公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)ではほとんど全ての地区で経済活動が回復したが、危機前の水準を下回っていると指摘された。

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■NY為替:良好な米国経済指標でドルは下げ止まる

15日のニューヨーク外為市場でドル・円は106円67銭まで下落後、106円97銭まで上昇して106円94銭で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)の追加緩和を織り込むドル売りが強まったのち、米国の7月NY連銀製造業景気指数が2018年11月以来で最高となったほか、6月鉱工業生産も1959年以降61年ぶり最大の伸びを記録するなど良好な経済指標を受けてドル売りは後退。

ユーロ・ドルは1.1452ドルまで上昇後、1.1402ドルまで下落して1.1412ドルで引けた。FRBの追加緩和を織り込むドル売りに上昇も、欧州連合(EU)サミットや欧州中央銀行(ECB)の理事会を控えて利益確定のユーロ売りで反落。ユーロ・円は122円28銭から121円82銭まで下落。ポンド・ドルは1.2650ドルまで上昇後、1.2575ドルまで反落。ベイリー英中銀総裁が長期にわたり低金利が維持される可能性が高いとの見解を議会証言で述べたため、ポンド売りが強まった。ドル・スイスは0.9411フランから0.9457フランまで上昇した。


■NY原油:強含みで41.20ドル、原油在庫減少や株高を意識した買いが入る

NY原油先物8月限は強含み(NYMEX原油8月限終値:41.20 ↑0.91)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比+0.91ドルの1バレル=41.20ドルで取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは40.08ドル−41.26ドル。ニューヨーク市場の序盤で40.08ドルまで下げたが、原油とガソリン在庫の減少を意識した買いが入ったことで41.26まで上昇。欧米株高も支援材料となったようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 24.60ドル +0.46ドル(+1.91%)
モルガン・スタンレー(MS) 51.35ドル +0.85ドル(+1.68%)
ゴールドマン・サックス(GS)216.90ドル +2.89ドル(+1.35%)
インテル(INTC) 59.03ドル +0.05ドル(+0.08%)
アップル(AAPL) 390.90ドル +2.67ドル(+0.69%)
アルファベット(GOOG) 1513.64ドル -6.94ドル(-0.46%)
フェイスブック(FB) 240.28ドル +0.55ドル(+0.23%)
キャタピラー(CAT) 138.36ドル +1.48ドル(+1.08%)
アルコア(AA) 12.69ドル +0.08ドル(+0.63%)
ウォルマート(WMT) 132.00ドル -0.01ドル(-0.01%)《ST》

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