7日の香港市場概況:ハンセン1.4%安で5日ぶり反落、香港不動産セクターに売り

2020年7月7日 18:01

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記事提供元:フィスコ


*18:01JST 7日の香港市場概況:ハンセン1.4%安で5日ぶり反落、香港不動産セクターに売り
7日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比363.50ポイント(1.38%)安の25975.66ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が126.42ポイント(1.18%)安の10600.41ポイントとそろって5日ぶりに反落した。売買代金は2399億5700万香港ドルと高水準が続いている(6日は2507億9700万香港ドル)。

「香港国家安全維持法」の警戒感がくすぶる流れ。今月1日に施行された同法については、香港警察に“インターネット検閲”など新たな権限が付与されたという。香港の自由が阻害されるとして、外国資本の域外流出が不安視される状況だ。米中関係の悪化も改めて懸念される。メドウズ米大統領補佐官は6日、「政権は中国への対応など、複数の問題に対する大統領令を出す準備をしている」と米メディアで語った。その直後、トランプ大統領はツイッターで、「中国は米国と世界に大きなダメージを与えている」と投稿している。

内外の景気持ち直し期待で小高くスタートしたものの、指数は一進一退し、後場に入り売りが改めて優勢となった。ハンセン指数は前日まで4日続伸し、約4カ月ぶりの高値水準を回復しただけに、反動売りも意識されている。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港の不動産関連が安い。九龍倉置業地産投資(1997/HK)が5.7%、信和置業(83/HK)が3.5%、恒基兆業地産(12/HK)と新鴻基地産発展(16/HK)がそろって3.3%、長江実業集団(1113/HK)が2.6%ずつ値を下げた。

このところ物色が続いた中国証券セクターも急反落。中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が12.0%安、中国銀河証券(6881/HK)が7.5%安、広発証券(1776/HK)が7.0%安、中信証券(6030/HK)が6.2%安、華泰証券(6886/HK)が4.5%安で引けた。

石油生産・化工や掘削、天然ガスなどエネルギー関連もさえない。中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.4%安、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.2%安、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が2.0%安、中海油田服務(2883/HK)が2.6%安、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が6.6%安と下落した。時間外取引のWTI原油先物は下げ幅を広げている。

一方、本土市場は6日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.37%高の3345.34ポイントで取引を終えた。消費関連株が高い。ハイテク株、ヘルスケア株、自動車株、不動産株の一角なども買われた。半面、金融株の一角は安い。海運・空運株、公益株、エネルギー株も売られた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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