日本取引所、「市場への責任」「未来への挑戦」により更なる飛躍を目指す

2020年7月5日 17:34

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 日本取引所は7月27日より、コモディティ・デリバティブを大阪取引所へ市場移管するとともに、清算機関の統合を行う。これにより、同一口座で株価指数先物と貴金属先物が取引可能となり、投資家の利便性向上とポートフォリオの多様化が期待できる。併せて2022年秋か23年初めに祝日先物取引を始めることも発表し、今後欧米並みの利便性に近づくことになる。

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 日本取引所は、1878年に渋沢栄一らによって設立された東京株式取引所に始まる東京証券取引所と、同年に伍代友厚らが出資設立した大阪株式取引所を起源とする大阪証券取引所が、2013年に合併して誕生した。

 傘下に現物市場を扱う東京証券取引所、デリバティブ市場を扱う大阪取引所と東京商品取引所、自主規制業務を専門的に行う日本取引所自主規制法人、取引の清算業務を行う日本証券クリアリング機構と日本商品清算機構、決済機能を行う証券保管振替機構を有する。市場取引者が安心して取引できるように取引所の適正な運営を行うと同時に、自身も株式会社として東証1部に上場しており、株主利益の向上も期待される日本取引所の動きを見ていこう。

■前期(2020年3月期)実績と今期見通し

 日本取引所は安心・公正な取引の場を提供し、証券会社などの取引参加者、上場会社、情報ベンダーなどから、市場を利用することの対価を得ている。

 前期実績は、受け取った対価の総額となる営業収益が1,236億円(前年比2.1%増)、減価償却費などの増加により営業費用が44億円増加の585億円(同8.2%増)となったため、営業利益は685億円(同1.4%減)であった。

 営業収益の内訳をビジネスモデル別に見ていこう。

 1.取引関連収益: 486億円(同0.1%減)、売上収益構成比39%
 現物、デリバティブ取引など売買の執行に関連する収益。

 2.清算関連収益: 264億円(同6.6%増)、売上収益構成比21%
 金融商品債務引受、商品取引債務引受に関連する収益。

 3.上場関連収益: 143億円(同2.1%増)、売上収益構成比12%
 資金調達や信用力向上などの上場メリットに対する上場料金。

 4.情報関連収益: 220億円(同4.5%増)、売上収益構成比18%
 株価情報、指数情報を提供、情報提供業者から受け取る情報料金。

 5.その他収益: 124億円(同2.1%減)、売上収益構成比10%
 各種システムの利用料。

 今期は、営業収益は1,215億円(同1.8%減)、営業利益は620億円(同9.5%減)を見込んでいる。

■中期経営計画(2020年3月期~22年3月期)による推進戦略

 市場への責任、未来への挑戦を掲げて、2022年3月期に売上収益1,300億円(対前期比5.2%増)を目指して、次の戦略を推進する。

●1. 次世代に向けた「市場のカタチ」の追求

 ・現物、デリバティブなどの取引プラットフォーム構築。
 ・個人投資家との新たなチャネル拡大、グローバル投資家サポート、ETF市場活性化。

●2.総合取引所の実現と発展

 ・7月に総合取引所を実現してデリバティブ市場を活性化し、グローバルに通用する市場へ発展。

●3.データサービスの多様化実現と次世代への挑戦

 ・API配信、クラウド配信などチャネル多様化推進。

●4.事業と社会の未来を支えるための基盤づくり

 ・2021年から関西バックアップセンターの稼働開始、企業向けブロックチェーンの基盤構築。

 市場への責任を果たし、未来への挑戦でフィンテックなどの急激な技術革新へ対応しながら、配当性向60%目標で株主の期待に応える日本取引所の動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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