【どう見るこの相場】「材料より需給」優先で市場変更予備軍株に「小玉は成功」を目指しスタンバイ余地

2020年6月22日 09:01

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ミクシィ<2121>(東マ)の株価が、前週17日に窓を開けて約300円高と急騰し、売買高も、516万株と前日の12倍に急増する大賑わいとなった。前日16日に6月23日付けで東証第1部への市場変更が承認されたと発表し、マーケットの市場変更候補株リストの下馬評にものぼっていなかったのはサプライズだとして、買い物が殺到した結果である。しかし週末にかけて上値が重くなり、買い付いた「大玉」が回転が効くのかどうか、相場格言の「高値覚えは損」が心配されているようにみえる。翌17日に同じく東証第2部から東証第1部への昇格を発表した都築電気<8157>(東2)が、ストップ高したあとの週末も、買い増勢となったのとは対照的である。

 ミクシィは、2006年のIPO(新規株式公開)時も2013年の「モンスト」ブーム時も高株価実績があり、これを連想したなまじの「高値覚え」から、高人気再現期待の高値への飛び付き買い終わるのかと、これまた相場格言の「大玉は失敗、小玉は成功」を懸念しているのに違いないのである。ただ、諦めるのはまだ早い。チャンスはもう一度、来月7月末に残っている。7月末に同社株は、東証株価指数(TOPIX)に組み入れられるから、TOPIX連動型フアンドの買い需要をどのくらい呼び込むかで捲土重来を演じる可能性も捨て切れない。

 この「大玉は失敗、小玉は成功」の相場格言は、現在の一般投資家のセンチメントを如実に示唆しているのではないだろうか?前週末19日の米国のニューヨーク・ダウ30種平均が、新型コロナウイルス感染症の感染再燃で208ドル安と3日続落したように、マーケットでは「第2波」への懸念が依然として強く残り、にもかかわらず経済活動再開によるコロナ・ショックからの持ち直しへの期待を前かがりで高め、大きな悲観は後退したものの、大きな楽観にも程遠く、この間で振幅を繰り返し、1日の売買でも強気と弱気が交錯し日中値幅だけが拡大する日々が続いている。ということは、売り買いもおっかなびっくりの及び腰で、逆に相場は案外堅調に長持ちするかもしれないのである。

 ということは、投資スタンスとしては、リスクを最小化する「小玉は成功」向きの相場環境ということだろう。では「小玉投資」のターゲットは何か?これはもちろん相場鉄則の「材料より需給」の応用編である。サンプルは、ミクシィであり、都築電気である。市場を見渡せば、両社株と同様に東証第1部への市場変更を目指す小型株、新興市場株は目白押しで、候補株リストも出回っており、この予備軍銘柄の市場変更承認を待ち伏せすれば「小玉は成功」となるはずだ。

 この市場変更で最も確度の高いのは、東証第1部への上場を準備するため、形式要件を充足する株式の立会外分売を実施した予備軍銘柄である。例えばプロレド・パートナーズ<7034>(東1)は、今年4月28日に東証マザーズから東証第1部へ市場変更されたが、これに先立って昨年9月と今年3月に立会外分売を実施しており、とくに今年3月は2回(分売価格3343円、2935円)に及んだ。この株価効果は、今年3月の株式分割権利落ち後の安値2390円から6月の同高値5460円まで2.2倍化し、前週末19日も5000円大台をキープしたほどに大きい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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