新型コロナ対策で休業するべき業種は何? 経済利益と衛生リスクを評価 米MIT

2020年6月18日 06:20

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新型コロナウイルス対策で休業となった店舗。オーストラリアで。(c) 123rf

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 日本では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う緊急事態宣言が4月初旬から発令され、多くの業種に休業要請が出されていた。緊急事態宣言が解除後も、経済活動が徐々に再開されるなど、業種によって状況が異なる。どの業種が営業を続け、あるいは休業要請をされるべきか。この判断のためのひとつの材料として、経済的な利益と衛生のリスクを両立できるかを業種ごとに評価した結果を米マサチューセッツ工科大学(MIT)が公表している。

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■携帯電話の位置情報を活用

 MITの研究グループは、経済的な利益と健康リスクの両立性を評価するために、消費者と経済活動に関するデータを活用し、26の業界で有用性とリスクを評価した。2019年1月から2020年3月までの期間に、4,700万台の携帯電話から取得された、匿名化された位置情報が用いられたという。

 その結果、銀行は経済的な利益と健康リスクとをもっとも両立できることが判明した。密状態をあまり生み出さない銀行業界では、26業種で経済的な利益が1位である一方、健康リスクは14位だった。密状態が比較的少ない業種では、経済的な利益と健康リスクとが両立可能だという。

 その一方で、酒やタバコを販売する店やスポーツ用品店、カフェやジムといった業種では、経済的な利益と健康リスクとを両立しにくいことが判明した。カフェやジュースバー、デザートパーラーは健康リスクが1~3位までを独占し、ジムは5位だった。これらの業種は絶えず密状態であるが、経済的な利益はあまり多くないという。

■社会的な接触や本質的な取引の評価に苦心

 研究グループが経済的な便益と健康リスクの両立性を評価する上で重視したのが、消費者と見知らぬ人とが接触する移動を制限することだ。その一方で、経済活動において本質的な取引がある。そこで、研究グループは社会的な接触を定量化するのに苦心したという。

 政策決定者は、感染症のパンデミックの期間中にどの業種が営業を続けられるのか、あるいは休業要請すべきなのかについて合理的な意思決定が求められる。研究グループは、本成果がこれらの意思決定を行う上でよいアイディアとなるだろうと期待を寄せている。どの場所で営業が再開されるかや、来たるべき第2波ではどの場所で休業要請が行われるべきかが本成果で確認できるとしている。

 研究の詳細は、米国科学アカデミー紀要に10日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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