11日の中国本土市場概況:上海総合0.8%安で続落、金融セクター下げ主導

2020年6月11日 16:51

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記事提供元:フィスコ


*16:51JST 11日の中国本土市場概況:上海総合0.8%安で続落、金融セクター下げ主導
11日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比22.86ポイント(0.78%)安の2920.90ポイントと続落した(上海A株指数は0.78%安の3061.65ポイント)。

中国指標の下振れが重し。昨日のマーケット引け後に発表された5月の中国金融統計では、人民元建て新規融資が予想以上に前月から縮小した。10日朝方公表された同月の物価統計も下振れている。経済活動の再開は進んでいるものの、景気回復には時間がかかる——との見方も広がった。また、指数は今月に入ってからの上昇ピッチが速く、足元では約3カ月ぶりの高値水準を回復していただけに、戻り待ちの売り圧力も意識されている。中国の政策に対する期待感が根強いなか、指数はプラス圏で推移する場面がみられたものの、後場に入り、改めて売りが優勢となった。

金融株が下げを主導。招商銀行(600036/SH)が2.5%安、中国平安保険(601318/SH)が1.8%安で引けた。食品飲料株も安い。高級白酒(中国の蒸留酒)メーカー大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が1.6%下落した。資源・素材株、不動産株、医薬品株、運輸株、インフラ関連株、公益株なども売られた。

半面、自動車株の一角は急伸。トラックやバスなど商用車のほか新エネ乗用車を生産する安徽江淮汽車集団(Jac motors:600418/SH)がストップ高、商用車と自動車部品を製造する金杯汽車(600609/SH)が8.8%高で取引を終えた。ITハイテク株の一角も高い。金融機関向けソフト開発会社の恒生電子(600570/SH)が2.9%上昇した。夜間経済(ナイトエコノミー)の関連銘柄も物色される。スーパーマーケットチェーンの上海百聯集団(600827/SH)が6.6%高と続伸し、約2年ぶりの高値水準を切り上げた。

一方、外貨建てB株相場は値下がり。上海B株指数が1.51ポイント(0.72%)安の207.22ポイント、深センB株指数が5.67ポイント(0.65%)安の859.51ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《FA》

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