予想外の米5月雇用統計を受け、今後の為替市場は? 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)

2020年6月9日 13:17

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記事提供元:フィスコ


*13:17JST 予想外の米5月雇用統計を受け、今後の為替市場は? 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)
皆さん、こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーター馬渕磨理子です。

【馬渕が気になった3つのポイント】
・予想以上に堅調だった雇用統計を受けてドル/円は109円台へ
・今週のFOMCでは金融政策維持の見通しが有力か
・リスク選好の流れを継続し豪ドル/円も堅調な動きを続けるか

まずは、先週のマーケットを振り返ってみましょう。景気回復への期待や原油価格上昇などをうけて、ドル/円は108円台を回復し円安基調となりました。欧州ではECB理事会が債券購入プログラムの買入れ増額を決定するなど予想を上回る積極的な緩和姿勢が示されたことで、ユーロも対ドル、対円で上昇しました。

また、先週末に発表された米5月雇用統計では、非農業部門雇用者数が大幅な増加を記録し失業率も低下するなど米労働市場の回復を示す結果が示され、ポジティブサプライズとなりました。この結果を受けてドル/円は109円台後半まで上昇しています。

さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。

レポートでは『今週のドル/円は先週末の雇用統計を受けて、6月10日深夜のFOMC声明やパウエルFRB議長の会見で景況感の先行きに楽観的な見方が高まるか注目されます』と伝えています。

また、『先週の米債券市場では10年債利回りが3月下旬以来の水準まで上昇するなど景気回復期待が高まる中、FRBの景況感見通しに変化があるか、債券市場の動向次第でドル/円は110円台を回復する可能性があるかもしれません』とふれるほか、『テクニカル的な観点からは5月6日の安値(105円99銭)を下値とする逆ヘッドアンドショルダーから試算される110円18銭を上値のターゲットとする見方もあり、堅調地合いを継続すると思われます』と分析しています。

ユーロについては『先週末にそれまでのユーロの対ドル、対円での上昇が一服したことや米国の労働市場の想定を上回る急速な改善もあり、上値の重い値動きが継続するかもしれません』と伝えるほか、『先週のECB理事会で一旦の材料出尽くし感のほか、先週末6月5日にはドイツ、オーストリアでの国債増発に加え、ドイツでは年内新たに300億ユーロの調達を示唆する報道も聞かれるなど供給過多がユーロの上値を抑制する可能性もあり注意が必要です』という見方も紹介しています。

ポンドについては、今週は『6月12日に英4月の鉱工業生産小売売上高のほか、4月の貿易収支の発表があり、英国の景況感に底入れ期待が高まるか注目されます』と伝えるほか、『離脱交渉や英中銀の金融政策を巡り、ネガティブな材料が示されなければ先週から続く、対ドル対円での日足・転換線を下値支援とする堅調地合いを継続する可能性もあるかもしれません』と考察しています。

豪ドルについては『先週末6月5日の米5月雇用統計が予想を上回る労働市場の回復を受け、米国経済のV字回復期待も聞かれるだけに、リスク選好の流れを継続し豪ドル/円も堅調な値動きを続ける』という予想を紹介する一方で、高値警戒感や経済指標の予想外の下振れには注意が必要とも伝えています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子《CN》

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