ユーロ週間見通し:弱含みか、米中対立への懸念強まる

2020年5月16日 15:07

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記事提供元:フィスコ


*15:07JST ユーロ週間見通し:弱含みか、米中対立への懸念強まる
■弱含み、トランプ米大統領がドル高を容認

先週のユーロ・ドルは弱含み。米国のインフレ関連指標がさえない結果となったことや、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がウイルス感染の影響による長期間の景気後退の可能性を警告したことから、ユーロ買い・米ドル売りが一時優勢となった。しかしながら、トランプ米大統領の「強いドルを持つには絶好の時期だ」との発言や、米国経済の段階的な再開への期待は持続していることを受けて、ユーロ買い・米ドル売りは縮小した。取引レンジ:1.0775ドル-1.0896ドル。

■弱含みか、域内景況感の改善に遅れも

今週のユーロ・ドルは弱含みか。新型コロナウイルス感染再拡大への警戒感が広がるなか、世界経済の下振れへの懸念が高まっており、域内景況感の改善は遅れている。ユーロ圏の5月製造業・サービス業などの経済指標が市場予想を下回った場合、ユーロ売り・米ドル買いが再び強まる可能性がある。

予想レンジ:1.0650ドル−1.0950ドル

■強含み、世界的な経済活動再開への期待広がる

先週のユーロ・円は強含み。世界的な経済活動再開への期待の広がりに、リスク選好的なユーロ買い・円売りが優勢となった。トランプ米大統領が中国と断交も検討していることを明らかにしたことから、リスク回避的なユーロ売り・円買いが一時強まる場面があったが、米国株式の反発や原油高を意識して円買いは拡大せず、ユーロ・円は116円近辺で
推移した。取引レンジ:115円30銭−116円85銭。

■弱含みか、米中対立への懸念強まる

今週のユーロ・円は弱含みか。新型コロナウイルス感染再拡大が警戒されるなか、製造業・サービス業PMIなどの経済指標が低調だった場合、ユーロ圏の早期景気回復への期待は後退し、ユーロ売りに振れやすい。また、コロナ発生源をめぐる米中対立も懸念材料か。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・22日:5月マークイット製造業PMI(4月:33.4)
・22日:5月マークイットサービス業PMI(4月:12.0)

予想レンジ:114円00銭−117円00銭《FA》

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