為替週間見通し:ドル・円は下げ渋りか、米経済再開への期待は支援材料に

2020年4月18日 14:29

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記事提供元:フィスコ


*14:29JST 為替週間見通し:ドル・円は下げ渋りか、米経済再開への期待は支援材料に
【先週の概況】
■ドル弱含み、米国経済の先行き不安残る

先週のドル・円は弱含み。新コロナウイルスの感染拡大によって2020年の米国経済は大幅に縮小するとの見方が強まり、4月13日のドル・円は108円54銭から107円台半ばまで反落した。ウイルス感染の拡大を阻止するための経済封鎖(外出制限)の影響で、15日発表の3月小売売上高や4月NY連銀製造業景況指数が記録的な落ち込みをみせたことも、ドル売り材料となった。その後、トランプ米大統領が米国経済の再開指針を表明したことが好感され、米国株式は強い動きを見せたことから、ドルを買い戻す動きがみられた。ドル・円は16日に108円台まで買われたが、米国経済の持続的な回復については懐疑的な見方があることから、リスク選好的なドル買いは拡大しなかった。

17日のニューヨーク外為市場でドル・円は107円75銭から一時107円30銭まで下落した。この日発表された3月米景気先行指数は、過去最大の落ち込みとなったため、景気見通しの悪化を警戒したドル売りが優勢となった。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が米国債の購入ペース減速(国債買い入れの減額)を発表したことから、ドル売りは一服。107円54銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:106円93銭−108円54銭。

【今週の見通し】
■ドル・円は下げ渋りか、米経済再開への期待は支援材料に

今週のドル・円は下げ渋りか。米トランプ政権の経済活動再開に向けた指針が示され、都市封鎖の段階的な解除への期待が広がりそうだ。新型コロナウイルスの米国内での感染拡大への警戒感は消えていないものの、経済・社会情勢のさらなる悪化への懸念は和らいでおり、リスク回避目的のドル売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。

米連邦準備制度理事会(FRB)による資金供給措置を背景としたドル売りは後退し、足元はドル選好地合いが強まっている。米国の3月小売売上高や4月NY連銀製造業景気指数などの経済指標は予想外に悪化し、ウイルスの影響への懸念が再燃した。16日発表の新規失業保険申請件数は500万人を大幅に上回り、4週間で2000万人超が職を失った。

トランプ政権は自国経済へのダメージを和らげるため、経済再開に向け3段階のプロセスで正常化に導く指針を示した。進ちょく状況により1カ月後には完全再開の可能性があることから、米国景気の早期回復への期待は残されることになりそうだ。ただ、新型ウイルスの感染によって毎日多くの人が亡くなっていること、米企業決算の悪化などを意識して米長期金利が上げ渋った場合、リスク選好的なドル買いは縮小する可能性がある。

【米・4月マークイット製造業PMI】(23日発表予定)
23日発表の米マークイット4月製造業PMIは38.5と、3月の48.5を大幅に下回る公算。先行指標となる4月NY連銀製造業景気指数は大幅に悪化しており、市場予想を下回った場合、ドル売り材料になる。

【米・3月耐久財受注】(24日発表予定)
24日発表の米3月耐久財受注は前月比-10.0%と、前回の+1.2%から大幅な悪化が予想される。足元の製造業関連指標は想定外に弱まるケースがみられ、株安を通じてドル買いを誘発しそうだ。

【今週の見通し】
■ドル・円は下げ渋りか、米経済再開への期待は支援材料に

今週のドル・円は下げ渋りか。米トランプ政権の経済活動再開に向けた指針が示され、都市封鎖の段階的な解除への期待が広がりそうだ。新型コロナウイルスの米国内での感染拡大への警戒感は消えていないものの、経済・社会情勢のさらなる悪化への懸念は和らいでおり、リスク回避目的のドル売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。

米連邦準備制度理事会(FRB)による資金供給措置を背景としたドル売りは後退し、足元はドル選好地合いが強まっている。米国の3月小売売上高や4月NY連銀製造業景気指数などの経済指標は予想外に悪化し、ウイルスの影響への懸念が再燃した。16日発表の新規失業保険申請件数は500万人を大幅に上回り、4週間で2000万人超が職を失った。

トランプ政権は自国経済へのダメージを和らげるため、経済再開に向け3段階のプロセスで正常化に導く指針を示した。進ちょく状況により1カ月後には完全再開の可能性があることから、米国景気の早期回復への期待は残されることになりそうだ。ただ、新型ウイルスの感染によって毎日多くの人が亡くなっていること、米企業決算の悪化などを意識して米長期金利が上げ渋った場合、リスク選好的なドル買いは縮小する可能性がある。

【米・4月マークイット製造業PMI】(23日発表予定)
23日発表の米マークイット4月製造業PMIは38.5と、3月の48.5を大幅に下回る公算。先行指標となる4月NY連銀製造業景気指数は大幅に悪化しており、市場予想を下回った場合、ドル売り材料になる。

【米・3月耐久財受注】(24日発表予定)
24日発表の米3月耐久財受注は前月比-10.0%と、前回の+1.2%から大幅な悪化が予想される。足元の製造業関連指標は想定外に弱まるケースがみられ、株安を通じてドル買いを誘発しそうだ。

予想レンジ:106円00銭−109円00銭《FA》

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