ホットリンク Research Memo(6):SNSを活用したマーケティング支援サービスが国内外で高成長

2020年4月7日 16:16

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記事提供元:フィスコ


*16:16JST ホットリンク Research Memo(6):SNSを活用したマーケティング支援サービスが国内外で高成長
■業績動向

2. 部門別の動向(1) SaaSサービスSaaS事業の売上高は前期比36.7%減の478百万円となった。e-mining事業売却により228百万円の減収要因となっており、「クチコミ@係長」だけで見ると前期比9%減程度となっている。ソーシャルリスニングツールの市場は競争が激化しており、需要が月額数万円の低価格帯と数十万円単位の高価格帯とに2極化する傾向にあるなかで、中価格帯でサービス提供するホットリンク<3680>の契約件数がやや減少したことが減収につながった。ただ、四半期ベースの売上動向では、2019年12月期第2四半期の111百万円を底にして第4四半期は118百万円と緩やかながらも回復の兆しが見え始めている。

なお、利益に関しては開示していないものの、Twitterのデータ値上げの影響が大きく減益になったと見られる。一方、e-minig事業の譲渡先であるリリーフサインは持分法適用関連会社(出資比率34%)となっており、2019年12月期では持分法利益として18百万円を営業外で計上している。

(2) ソリューションサービスソリューション事業の売上高は前期比13.2%増の2,126百万円となった。このうち、国内におけるSNS広告・運用コンサルティング事業は同88.6%増の478百万円、契約件数で同3.2倍増と大幅伸長した。ソーシャルメディアをプロモーション施策として活用する企業が増えるなかで、豊富な実績と運用ノウハウを強みに営業体制を強化し、顧客開拓に積極的に取り組んだことが奏効した。リピート率も高く、ナショナルブランドの顧客開拓も進んでいるようで、利益面でも増収効果で増益になったと見られる。

一方、EffyisによるSNSデータアクセス権販売事業の売上高は、前期比1.4%増の1,648百万円にとどまった。ソーシャルメディアのデータアクセス権市場は年率2ケタ成長が続いていたが、2018年以降、Facebookがデータ販売を中止したほか、欧州でのGDPR規制(プライバシー保護規則)の適用開始等に伴い、データアクセス権が有料かつ割高に移行したことが売上の伸び悩みにつながった。これらソーシャルデータを利活用するSaaS企業の経営状況がデータ利用料の負担増で経営が悪化し、サービスを中止したり同業と合併したりするなどの動きが広がったことが背景にある。

利益面では、売上の伸び悩みに加えて、売上原価率の高いデータの売上構成比が上昇したことや、収益回復を図るため金融市場などの新規市場開拓を目的とした開発費や人件費、業務委託費などが増加したこと、貸倒引当金43百万円を計上したことなどにより、営業利益で3期ぶりの損失を計上し、前期比では2.6億円の減益要因になったと見られる。また、今回損失を計上したことにより、759百万円の減損損失を計上している(のれん残高は1,071百万円)。

同社ではEffyisの収益立て直しを図るため、2019年10月以降、事業構造改革(不採算プロジェクトの停止に伴う開発費、外注費の削減、新規開拓市場向けに雇用した人員の削減等)を実施しており、2019年12月には同社会長の内山氏がCEOに就任し、新経営体制下で2020年12月期の黒字化を目指していくことを明らかにしている。なお、インターネット上の個人情報管理の厳格化は、正規のデータアクセス権を保有するEffyisにとって、中長期的には競争力の向上につながるポジティブな流れとして弊社では考えている。

(3) クロスバウンドサービスクロスバウンド事業の売上高は前期比79.8%増の1,090百万円と大幅増収となった。「トレンドPR」など中国に進出する日系企業向けのプロモーションサービスが大きく成長した。四半期ベースでも右肩上がりに売上高が拡大しており、営業体制の強化など戦略的投資を実行してきた効果が顕在化しているものと思われる。その他のサービスに関しては、レポーティング売上が堅調を持続した一方で、「越境EC X」については当初の想定を下回ったものと見られる。通関手続きなどオペレーション面での課題は解消したものの、日系企業のECショップとして販売価格をフレキシブルに変更できないことが販売面での苦戦につながっているようだ。

利益面では、増収効果により売上総利益で前期比109百万円の増益となったものの、業務拡大に伴う人件費や業務委託費の増加等により販管費が同234百万円増加し、営業損失で同125百万円拡大したものと見られる。

なお、トレンドExpressについては2019年12月に(株)NTTドコモ・ベンチャーズを割当先とする第三者割当増資(79百万円)を実施している。今後、NTTグループのインバウンド及びビッグデータ関連事業に対して、トレンドExpressの中華圏のソーシャル・ビッグデータ分析サービスの提供・連携を開始することとなっている。今回の増資によって同社のトレンドExpressへの出資比率は75.7%から57.3%に低下している。

(4) 長期的事業の種蒔き投資同社は中長期的な企業価値を高めるため、ブロックチェーン技術を用いた新たなサービス・事業の可能性を探索すべく、年1億円の予算枠を設定して投資も実行している。2019年3月にスポーツ応援テック企業、SAMURAI Security(株)※に出資したほか、2019年12月期第4四半期には米ロサンゼルスのクリプト特化型のブロックチェーンファンドに出資し、世界の有力ベンチャーや技術・ビジネスなどの情報収集・接触機会を得た。また、東南アジア市場進出のための情報収集を目的に、2019年12月期第4四半期にミャンマーのWebポータル事業会社にも出資している。そのほかにも、2018年11月より参加している東京大学ブロックチェーン寄付講座の第3期が2019年10月より開始しており、優秀な人材が多方面から集まっている。

※富山県で展開しているブロックチェーン技術による地域社会と地域ゆかりの人々を経済的に結ぶ地域通貨Yellシステム、地域通貨の利用を促進するエンゲージメントプラットフォームの開発ノウハウを生かし、スポーツチームや選手とファンをつなげる「スポーツビジネス用ファン・エンゲージメントプラットフォーム」の開発を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《EY》

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