今日の為替市場ポイント:米経済回復時期の遅れで円売り抑制も

2020年4月2日 08:45

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記事提供元:フィスコ


*08:45JST 今日の為替市場ポイント:米経済回復時期の遅れで円売り抑制も
4月1日のドル・円は東京市場では107円26銭から107円94銭まで反発。欧米市場でドルは107円79銭まで買われた後に106円92銭まで反落し、107円15銭で取引終了。

本日2日のドル・円は、主に107円台前半で推移か。米国経済の回復時期は従来予想よりも遅れる可能性があることから、リスク選好的なドル買い・円売りは引き続き抑制される可能性がある。

1日のニューヨーク市場で米国長期債相場は強含み。株安を意識した安全逃避の買いが入ったようだ。米国を含めて世界各国で新型コロナウイルスの感染被害は拡大しており、それによる経済的な損失は従来予測を上回る可能性がある。投資家の間でリスク資産を圧縮し、債券保有を増やす動きが続いているようだ。この日発表された3月ADP全米雇用報告では、民間部門雇用者数が前月比-2.7万人減少。減少は2017年9月以来となる。

2日に発表される前週分の新規失業保険申請件数は、350万件程度と予想されており、前回実績を上回る可能性がある。市場関係者の間では「米国の失業者数は3000万人を超える可能性がある」との見方が浮上している。雇用情勢の大幅な悪化は米国経済見通しの下方修正につながるとみられており、米株式市場はそうした可能性を織り込むことになりそうだ。リスク回避的な取引はしばらく継続する可能性が高い。《CS》

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