今日の為替市場ポイント:金融市場の不確実性低下でリスク回避の円買い抑制も

2020年3月16日 08:35

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:35JST 今日の為替市場ポイント:金融市場の不確実性低下でリスク回避の円買い抑制も
13日のドル・円は東京市場では104円51銭から106円01銭まで反発。欧米市場でドルは105円76銭から108円50銭まで上昇し、108円01銭で取引終了。

本日16日のドル・円は、主に106円台で推移か。米国のゼロ金利政策導入を受けて金融市場の不確実性はやや低下する可能性があることから、リスク回避的な円買いは抑制される可能性がある。

米FRBは3月15日(日本時間3月16日早朝)、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを1ポイント引き下げ、0%近辺(0.00−0.25%)とした。FRBは、債券保有を7000億ドル増やす方針も表明している。今回公表されたFOMC声明で「米国経済が新型コロナウイルスの感染拡大による影響を乗り切ったと確信し、雇用の最大化と物価安定の目標を達成するまで、現行の政策金利を維持する」と表明しており、ゼロ金利政策は長期間維持される可能性が高いとみられている。

ゼロ金利政策導入を受けて16日早朝のアジア市場ではドル売り・円買いが優勢となったが、NYダウ先物が大幅安となったことも嫌気されたようだ。米下院は3月14日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済への影響をできるだけ抑えるため、無料検査や有給病気休暇を盛り込んだ数十億ドル規模の対策法案を賛成多数で可決した。この法案にはトランプ大統領が求めていた給与税減税は含まれていないものの、大規模経済政策への期待は持続しているようだ。また、各国中央銀行は市場流動性を高めることで協調することから、リスク回避的な取引はやや縮小し、ドル・円は下げ渋る可能性がある。《CS》

関連記事