いったん下げ渋りも積極的な押し目買いは入れにくい/後場の投資戦略

2020年3月10日 12:22

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記事提供元:フィスコ


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;19405.57;-293.19TOPIX;1371.82;-17.15

[後場の投資戦略]

 本日の東京市場では、直近で急落を見せた原油相場がひとまず下げ止まったことが投資家心理の下支え要因となり、日経平均も下げ渋り・下げ幅を縮小。物色としても、ディフェンシブセクターへの消去法的な商いのほか、足元で外資系証券によるショートポジションが積み上がっていたとみられるハイテク株中心に自律反発や買い戻しの動きが出たような状況であろう。

 ただ、それら銘柄群においても前場中ごろから揃ってマイナスに転じているアジア株式市場の動向を受け、前引けにかけては戻りの鈍さが意識されている。また、本日の参院財政金融委員会にて日銀・黒田総裁は、日銀が保有する株価指数連動型上場投資信託(ETF)の時価が簿価を下回る損益分岐点について、日経平均株価19000円程度と述べたことも伝わっており、保有ETFが含み損の状態に陥っている可能性があるとの懸念も投資家心理の重しになっているもよう。

 日米ともにボラタイルな相場が目先的には継続することが見込まれるなか、今週末には先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えている。足元の荒い値動きを受けたヘッジに伴う動きも強まりやすいところであり、特に週半ばにかけての動向は引き続き注視しておきたいところである。新型肺炎の感染拡大においては、依然として収束の兆しはみられておらず、株式市場においても積極的な押し目買いを入れにくい地合いは継続するだろう。本日動意をみせている銘柄に関しても、短期資金が主体で資金の逃げ足が速い可能性が高い点には十分に留意する必要がありそうだ。《AK》

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