日経平均の2万円割れが意識される局面に/東京株オープニングコメント

2020年3月9日 08:47

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記事提供元:フィスコ


*08:47JST 日経平均の2万円割れが意識される局面に
 9日の日本株市場は、下値不安の強い相場展開になりそうだ。6日の米国市場では、NYダウが256ドル安だった。世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大し、経済が景気後退入りする確率が一段と高まったため投資家心理が悪化、終日軟調推移となっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比280円安の20430円。安いところでは20210円まで下げ幅を拡大させる局面もみられている。円相場は1ドル104円30銭台と円高に振れて推移している。

 イタリアでは新型コロナウイルスの感染拡大が広がっているミラノがある北部ロンバルディア州などを封鎖すると発表。米国ではNYで非常事態宣言が発動された。また、トランプ大統領をはじめ複数の閣僚などが出席した会合に、新型コロナウイルスの感染者1人が参加していたことがわるなど、リスクオフの流れが一段と強まりやすい。

 さらに石油輸出国機構(OPEC)加盟国とそれ以外の主要産油国で構成するOPECプラスは6日、「2020年6月末までに関する日量150万バレルの追加減産の実施」で合意できず、協議は決裂した。6日のNY原油先物相場は1バレル41ドル台に急落していることも神経質にさせそうである。

 シカゴ先物は一時20210円まで下げていることもあり、投資家心理としては2万円割れが意識されやすいだろう。そのため下落局面において押し目拾いの動きは強まらず、薄商いの中を先物主導のインデックス売買によって大きく振らされやすくなりそうだ。また、週末には先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えている。ロール中心の売買になりそうではあるが、大きく振れる局面においてはヘッジに伴う影響も警戒されやすい。日銀が保有する上場投資信託(ETF)の簿価などへの思惑も高まりやすく、市場への警戒感がさらに高まる局面も想定しておく必要がありそうだ。

 リスクオフの中、物色は新型コロナウイルスの影響を受けづらいとみられるセクターや需要が見込まれるであろう関連銘柄に集中しやすくなりそうだ。中小型株については物色に広がりが見えづらいだろうが、先週のアンジェス<4563>など、材料の出た銘柄などへは資金集中がみられるなど、特に売り込まれていた銘柄に対する株価反応は大きい。短期的な値幅取り狙いではあろうが、踏ん張りどころであろう。《AK》

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