米国雇用統計:1月の振り返りと2月のポイント「FRB金融政策に与える影響は?」 住信SBIネット銀行(三井智映子)

2020年3月5日 19:20

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記事提供元:フィスコ


*19:20JST 米国雇用統計:1月の振り返りと2月のポイント「FRB金融政策に与える影響は?」 住信SBIネット銀行(三井智映子)
こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。3月6日発表の米雇用統計に向けてレポートをご紹介します。その前に前回の1月雇用統計を振り返ってみましょう。

まず非農業部門雇用者数については22.5万人増と市場予想16.0万人増を上回り、2019年12月実績14.7万人増から改善しました。『民間部門の就業者数が12月(14.2万人増)から20.6万人増へ大幅に改善』したことも雇用者数増につながった一因と考えられます。

失業率は12月実績の3.5%に対し3.6%とやや悪化しましたが、労働参加率の増加によるものと考えられています。時間給賃金については、前月比では市場予想+0.3%をやや下回る+0.2%、前年比では市場予想+3.0%をやや上回る+3.1%となりました。

2月の雇用統計は非農業部門就業者数17.5万人増、失業率3.6%、時間給賃金は前月比+0.3%、前年比+3.0%が予想されていますが、いったいどのような内容になるのでしょうか。

レポートでは、『中国発の新型ウィルス感染拡大の影響からNYダウは先週一週間で12%程度下落したほか、2月12日の史上最高値から14%ほど下落するなど短期間での大幅な下落率に象徴されるように米国経済や企業業績に及ぼす影響は避けられそうもありません』と現況を考察しています。

米国のGDPでは個人消費が多くを占めており、新型ウィルス感染拡大による心理的な影響が個人消費の縮小につながる懸念も聞かれるなか、レポートでは『企業活動への影響が低失業率の継続や時間給賃金、さらには週当たりの労働時間の短縮などに影響を及ぼしていないか、あるいは先行きの労働市場に影響が及ぶ兆候が見られるのか、注目されます』と伝えています。

さらに、『今回の雇用統計では就業者数や失業率は勿論、労働時間の短縮がないのか、総合的な賃金に低下の影響が表れることはないのか注目されます』と加えています。今後の米国内の個人消費へ影響を予測するためにも、結果を細やかにみていく必要がありそうですね。

また、引き続きFRBの動向が注目となりそうですが、『先週末、パウエルFRB議長は「経済を支援するために、適切に行動する」との緊急声明を発表しており、今回の雇用統計の結果次第では3月に続き、4月のFOMCでも利下げが実施される可能性も否定できないだけに、FRBの金融政策を占う観点からも今回の雇用統計が注目されます』と伝えています。

ちなみに3月4日に発表されたADP雇用統計は市場予想17.0万人増を上回る18.3万人増でした。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「米国雇用統計」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子《CN》

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