イメージワン Research Memo(4):「人の健康と地球環境」領域での事業ポートフォリオが明確化(2)

2020年1月24日 15:04

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記事提供元:フィスコ


*15:04JST イメージワン Research Memo(4):「人の健康と地球環境」領域での事業ポートフォリオが明確化(2)
■イメージ ワン<2667>の事業内容

3. 成長余地が大きい「onti」と「アイヒス」
「onti」は、核医学検査(放射線薬剤を体内に投与し、疾患の診断及び治療を行う医療分野)の線量管理が可能となる国内唯一の医療情報システムであり、RYUKYU ISGが製造元で同社が独占販売権を獲得している。「onti」はCT等による核医学検査の「医療被ばく線量」と医療画像の「画質」を最適化する医療被ばく線量管理システムで、1)個人体格を考慮した医療被ばく線量指標を瞬時に計算、2)簡単な操作による画像解析や数値のグラフ化を通じ最適な薬剤投与量のコントロールと効率的な管理が可能、3)核医学業務に関わる情報を電子化できるため手書き作業や紙による管理からの革新が可能、4)医療被ばく管理の国際的な標準利用方法に基づき開発されているため、既存の病院ネットワークに接続すれば速やかに利用が開始できる、といった優れた特徴を持つ。2020年4月施行の医療法改正では、放射線診療を受ける者の医療被ばくの線量管理及び線量記録を医療機関に義務付けられるため、「onti」への需要を喚起する追い風となるだろう。

クラウド型オーダリング電子カルテである「アイヒス」は、単に紙のカルテを電子化するだけでなく、従来、紙に書いていたオーダリング(検査伝票、処方箋、食事箋等にかかる情報伝達業務)を電子的にやり取りすることで、病院の業務効率を向上させ、サービス提供までの時間短縮や病院内の働き方改革、経費削減に貢献するシステムである。また、完全クラウド対応により、ユーザーは1)オンプレミス型(サーバの自前保有)に比べ低い導入コスト、2)自社管理に比べ総合的に見ればランニングコストの抑制が可能、3)良好なメンテナンス性、4)安全・安心なセキュリティー、といったメリットも享受できる。

電子カルテシステムの国内病院における導入率は30%台半ばと、同社の主力製品であるPACS(医療画像保管・配信・表示システム)の80%超を大きく下回っている。電子カルテシステムの導入率が低い理由は、主流であるオンプレミスでのシステム導入だと初期負担が重いためだが、「アイヒス」の場合、7年契約であれば初期負担5,000万円、合計保守料3,000万円(月額課金)で導入が可能であり、大きな成長余地が残されていると考えてよいだろう。また「アイヒス」は、総販売代理店契約に基づきアックスエンジニアリングから調達するプロダクトだが、中期経営計画で示された電子カルテ事業の営業利益率は23%であり、PACS製品に比べて高い収益性が確保できる見込みである。

4. バランスシートを積極活用する「地球環境ソリューション事業」
「地球環境ソリューション事業」は、旧GEOソリューション事業と新規領域の再生可能エネルギー事業で構成され、今後、環境事業(バイオプラスチック事業や除染事業)も立ち上げていく予定である。太陽光発電事業の垂直立ち上げ実現により、2019年9月期の売上高構成比は32%と2018年9月期の7%から急拡大、未着工太陽光発電所の売却に伴う利益(匿名組合投資利益として営業外収益766百万円を計上)がセグメント収益に反映されていないことを勘案すれば、実質的には早くも大黒柱に育ちつつあると言えるだろう。

再生可能エネルギー事業において重要になるのが、2019年4月に行ったユニ・ロットとの業務提携並びにユニ・ロットとの合同会社(メガソーラー開発1号)への出資(25%)である。ユニ・ロットは、太陽光発電システム開発において独立系としては国内トップクラスの規模を有する企業であり、地権者からの用地賃借に始まり、経済産業省からの設備ID及び電力会社からの許認可(発電設備を系統に接続する権利)の取得、発電所の完成に至るプロセスを自前で進めるノウハウを持つ。加えて、ユニ・ロットが手掛ける物件は地盤調査やフェンス設置等も怠りなく、安全性に対する意識が極めて高いとの評価を得ている。

メガソーラー開発1号では、40MW相当の太陽光発電所を2021年9月期までに稼働させる事業計画であったが、前述のとおり既に売却済である。また同時期に同社が直接取得した千葉県の稼働済み太陽光発電所(想定売電額:年間52百万円、同実質利回り:7.94%)も9月に売却、セグメント報告の推移から見て6千万円程度の利益を確定していると推察される。

現在、再生可能エネルギー事業で保有している物件は、2019年9月に直接取得した青森県の太陽光発電所(2013年6月に稼働済)と同月に合同会社へ出資にする形で取得した埼玉県の太陽光発電所(2015年8月に稼働済)の2つである。それぞれの想定売電額と同実質利回りは、前者が年間61百万円で利回り9.36%、後者が年間85百万円で利回り9.02%を見込んでいる。また、2019年11月に鹿児島県の未着工風力発電所(売電価格:20円/キロワット、システム容量:7,500キロワット相当、2021年12月稼働予定)と福岡県の未着工太陽光発電所(売電価格:36円/キロワット、システム容量:1,480キロワット相当、2020年3月稼働予定)の取得を公表している。また、風力発電は、有経験者の知見を活かし、2020年度FIT価格20円の取得を目指し、20,000キロワット、25,000キロワットの事業化を検討中である。

こうした再生可能エネルギー事業への積極投資により、2019年9月期末の地球環境ソリューション事業のセグメント資産は1,083百万円と2018年9月期末の14百万円から急拡大している。同社が既存事業の再構築と同時進行で、バランスシートを積極活用したビジネスモデルへと一気に移行し、早くも成果を上げたことは評価に値するだろう。とはいえ、財務の健全性を維持しつつ継続的な成長を実現するためには、投資におけるディシプリン(規律)の在り方が重要と考える。この点、これまでの開発/取得並びに運用/転売の実績から見て、1)過分な資金固定化につながりかねない大規模案件については、原則的に転売による早期の資金回収を目指す、2)稼働済発電所(セカンダリー)の取得においては、冷徹にハードルレートを設定することで自社運用による安定収入獲得と好条件での早期資金回収の両にらみ戦略を目指す、といった基本方針が読み取れるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)《MH》

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