海洋酸性化はサメに影響を与える

2019年12月26日 09:50

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記事提供元:スラド

 headless曰く、

 海洋酸性化がサメに与える影響について、南アフリカとドイツの研究チームがモヨウウチキトラザメ(Haploblepharus edwardsii)を用いた実験による研究成果を発表した(Scientific Reports掲載論文Mashableの記事)。

 海洋酸性化は海水が大気中の二酸化炭素を吸収することで引き起こされるもので、西暦2300年までに地球全体で海洋の水素イオン指数は慢性的にpH 7.3まで低下すると予測されている。モヨウウチキトラザメは南アフリカ沿岸の固有種。生息域のベンゲラ海流大規模海洋生態系(BCLME)は南半球の春から秋にかけて湧昇により海水がたびたび高炭酸状態となり、秋にはpH 6.6まで低下することもあるという。そのため、生理学的には高炭酸状態に適応しているが、高炭酸状態が長期に及ぶと皮膚に影響が表れるようだ。

 実験で使用した80匹のモヨウウチキトラザメは、南半球の春にケープタウン近郊サイモンズタウンのヨットハーバーでスキューバダイバーが手で捕まえたもの。高炭酸状態の海水(ph 7.3)を使用するグループと正常炭酸状態の海水(ph 8.0)を使用するグループ(対照群)に分け、短期(24時間+回復時間8時間)と長期(9週間)の経過を調査している。その結果、短期・長期ともに高炭酸状態でも体内の酸塩基バランスに大きな影響はみられない一方、高炭酸状態が長期に及ぶと皮膚の小歯状突起(皮歯)が化学的腐食し、通常と比べて表面の滑らかさや角の鋭さが失われていたという。

 小歯状突起が化学的腐食することで代謝が増加するほか、皮膚の保護能力も低下する。モヨウウチキトラザメは呼吸をするために泳ぐ必要はないが、遠洋に住む大型のサメでは小歯状突起の表面が滑らかさを失うことで泳ぐ速度が低下し、二酸化炭素の代謝能力が影響を受ける可能性がある。また、サメの歯は構造的・組成的に小歯状突起と同じであることから、歯への影響も考えられる。海洋酸性化による海洋生物への影響は無脊椎動物や硬骨魚類で数多く研究されているが、サメなどの軟骨魚類に関してはあまり研究されていないことから、さらなる研究が必要だと論文は結論付けている。

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