IPO銘柄はややセンチメントが悪化【クロージング】

2019年12月23日 16:18

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記事提供元:フィスコ


*16:18JST IPO銘柄はややセンチメントが悪化【クロージング】
23日の日経平均は小幅に上昇。4.48円高の23821.11円(出来高概算9億5000万株)で取引を終えた。日経平均は4営業日ぶりの反発となったが、朝方の買い一巡後は参加者不在の中で、こう着感の強い相場展開が続いた。先週末の米国市場の上昇の流れのほか、米中首脳による電話協議が行われたことが伝わる中、日経平均は買い先行で始まった。しかし、国内外のメイン処の投資家はクリスマス休暇に入っていることもあり、寄り付き近辺を高値に、その後はこう着感の強い相場展開が続き、結局は大引け間際に付けた23810.82円が本日の安値になっている。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1400を超えており、全体の7割近くを占めている。セクターでは、医薬品、精密機器、サービス、小売、その他製品、食料品が小じっかり。半面、鉱業、パルプ紙、非鉄金属、電力ガス、鉄鋼、その他金融、建設が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、TDK<6762>、ファナック<6954>、塩野義<4507>が冴えない。一方で第一三共<4568>、テルモ<4543>、エムスリー<2413>、オリンパス<7733>が下支え。

日経平均は本日の安値圏で取引を終えたが、薄商いの中では指数インパクトの大きい銘柄の影響を受けやすいことから、ファーストリテ<9983>が大引けにかけて弱含んだ影響が大きいだろう。ただし、参加者が限られるとはいえ、日経平均じり安基調が続くと25日線レベルまでの調整を意識した、マド埋めへの思惑にもつながりやすいところ。今週はクリスマスで海外市場が休場となる影響もあって大きなトレンドは出難いと考えられるが、テクニカル面からは早期の5日線回復を見極めたいところであろう。

もっとも、本日の値動きをみると、ファーストリテの変動に振らされた格好であった。明日以降も薄商いの中で短期筋の仕掛け的な売買に振らされやすい面もありそうだが、先物等の影響を受け難い中小型株へ限られた資金はシフトしやすいだろう。IPO銘柄については、直近上場のトゥエンティーフォーセブン<7074>の下方修正が、他の直近IPO銘柄への売りに波及するなど、センチメントをやや悪化させた。節税対策による換金売りが出やすい時期でもあるため、ここは冷静に押し目を拾いたいところである。《CN》

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