マルマエは戻り試す、20年8月期2Q累計利益予想を上方修正

2019年12月23日 08:59

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 マルマエ<6264>(東1)は、半導体・FPD製造装置向け真空部品などの精密切削加工事業を展開している。受注残高は19年2月をボトムとして回復傾向である。12月20日に20年8月期業績予想を修正(第2四半期累計は売上高を下方修正、利益を上方修正、通期は売上高を下方修正、利益を据え置き)した。一部消耗品種の受注減少で売上高を下方修正したが、新規受注案件の利益率が想定よりも良好であり、全体の利益率が改善する見込みだ。そして通期増収増益予想(下期偏重)である。株価は10月の年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■半導体・FPD製造装置向けの精密切削加工事業

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開している。

 パイオニアプラズマディスプレイ鹿児島工場の一部を取得し、18年4月出水事業所として稼働、電子ビーム溶接(EBW)関連の生産も開始した。19年2月には本社を出水事業所内に移転し、本社機能の充実や業務の効率化を推進している。

 作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)では、18年7月第二種医療機器製造販売業の許可を取得し、医療機器製造業の登録を行った。

 中期事業計画(19年8月期~21年8月期)では目標として、売上高80億円、営業利益24億円(営業利益率30%)、資産ベースROIC20%(18年8月期実績16.4%)、負債ベースROIC15%(18年8月期実績11.8%)、配当性向30%以上(年間最低配当額10円、ただし最終損益が赤字となる場合は見直しを行う)を掲げている。

 また21年8月期までに医療機器部門の事業化、自社FA技術構築による生産性革新も推進する。設備投資額は市場動向を見ながら判断するため、出水事業所が稼働した18年8月期の24.5億円をピークとして減少する見込みだ。

■20年8月期2Q累計利益予想を上方修正、通期増収増益予想

 12月20日に20年8月期の業績予想を修正(第2四半期累計は売上高を下方修正、利益を上方修正、通期は売上高を下方修正、利益を据え置き)した。一部消耗品種の受注減少で売上高を下方修正したが、新規受注案件の利益率が想定よりも良好であり、全体の利益率が改善する見込みだ。

 修正後の通期非連結業績予想は、売上高が19年8月期比9.0%増の43億80百万円、営業利益が31.2%増の6億50百万円、経常利益が32.7%増の6億33百万円、純利益が0.8%増の4億40百万円となる。配当予想は19年8月期と同額の15円(第2四半期末10円、期末5円)である。

 第2四半期累計は修正後も減益予想だが、第1四半期の利益が株主総会費用の発生や減価償却費の増加で低水準となるため期初時点で下期偏重の計画であり、通期は増収増益予想である。通期ベースで収益拡大を期待したい。

 なお月次受注残高(速報値)を見ると、19年11月は半導体分野が4億59百万円(前月比4.8%増、前年同月比14.1%減)、FPD分野が3億12百万円(前月比3.1%減、前年同月比78.7%増)、その他分野が4百万円、合計が7億76百万円(前月比1.5%増、前年同月比5.4%増)となった。19年2月の合計6億20百万円をボトムとして回復傾向である。

 今後の見通しとして、半導体分野はロジック向けに加えて、メモリ向けの需要も拡大するが、一部消耗品の受注が客先におけるリサイクルの影響で停滞する見込みとしている。FPD分野はEBWを活用した受注が順調に推移する見込みとしている。

■株主優待制度は毎年8月末時点で6カ月以上保有株主対象

 株主優待制度は、毎年8月末日現在、6カ月以上継続して1単元(100株)以上(17年3月1日付株式2分割後)保有株主を対象として、クオカード1000円分を贈呈する。

■株価は戻り試す

 株価は10月の年初来高値圏から一旦反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。12月20日の終値は1043円、今期予想PER(会社予想のEPS33円71銭で算出)は約31倍、今期予想配当利回り(会社予想15円で算出)は約1.4%、前期実績PBR(前期実績BPS406円65銭で算出)は約2.6倍、時価総額は約136億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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