【新規上場(IPO)銘柄】BASEはEコマースプラットフォームとID決済サービスを展開、25日移動平均線まで調整し値ごろ感

2019年12月11日 13:35

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 BASE<4477>(東マ)は、10月25日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、「Payment to the People, Power to the People.」を企業ミッションに掲げ、誰もが簡易に利用できるペイメントサービスの開発・提供により、個人ならびにSMB(Small and Medium Business)をエンパワーメントし、個人やスモールチームが活躍できる世界の構築に向けて、プロダクトおよびサービスの提供に取り組んでいる。

 同社では、Eコマースプラットフォーム「BASE」を提供するBASE事業並びに、オンライン決済サービス「PAY.JP」及びID決済サービス「PAY.ID」を提供するPAY事業を主に展開している。

 Eコマースプラットフォーム「BASE」では、誰でも簡単にネットショップが作成できるサービスを提供している。導入が簡単な決済機能、おしゃれなデザインテーマ、トランザクション解析ツールなどネットショップの運営に必要な機能を備えており、費用やWeb技術、時間などのさまざまな理由でこれまでネットショップをはじめることが困難だった方も、気軽に始めることができる。簡易な操作性でネットショップを運用できるので、商品を企画・生産・製造されている方が、ものづくりをしながら販売まで対応することができる。2019年8月末時点で、ネットショップ開設実績2年連続No.1、800,000ショップを突破している。

 ショッピングアプリ「BASE」では、500万ユーザーが利用するスマートフォンアプリで、トレンド、ファッション、インテリア、エンタメ・ホビー、コスメ、家電・スマホ、スポーツ・レジャー、食品・飲料(野菜や果物などの農産物、肉・魚等の生鮮食品もふくむ)など幅広いジャンルの商品を購入することができる。

 オンライン決済サービス「PAY.JP」は、WebサービスやEコマースにクレジットカード決済を無料で簡単に導入できる開発者向けのオンライン決済サービスで、「支払いのすべてをシンプルに」というコンセプトのもと、個人・法人を問わずあらゆる開発者が導入しやすいシステムを設計しており、「申請に時間がかかる」「高い」「使いにくい」という複雑なオンライン決済サービスの問題を解決している。

 ID決済サービス「PAY ID」では、購入者向けのID決済サービスで、予めユーザー情報を登録すると、以降は、その都度クレジットカード番号やお届け先情報を入力する必要がなく、IDでログインするだけでスムーズにオンライン決済を行うことができる。2019年8月末時点で、利用ユーザー数は250万人、利用できる場所は約80万店舗に達している。

 その他事業では、ネットショップ作成サービス「BASE」を利用するショップオーナーが、リスクが無く、即時に資金調達できる金融サービス「YELL BANK」を展開している。ショップの将来の売上金額を予測して「YELL BANK」がショップオーナーから将来の売掛債権を買い取る。買い取った金額は即時にショップオーナーに支払われるため、ショップオーナーは将来の売上を"今すぐ"に利用することができる。

 今2019年12月期第3四半期業績実績は、売上高27億3000万円、営業損益2億8000万円の赤字、経常損益2億7900万円の赤字、最終損益2億8300万円の赤字に着地。売上高は、BASE事業が前年同四半期比60.6%増、PAY事業が同70.4%増ともに高い成長により前年同四半期比62.4%増、売上総利益は同56.5%増を見込む。販管費ではプロモーション費及び人件費等への先行投資が膨らんだため、営業損益・経常損益・最終損益では赤字となったが、計画通り進捗している

 今19年12月期業績予想は、売上高36億7000万円(前期比56.0%増)、営業損益5億4000万円の赤字(同7億9100万円の赤字)、経常損益5億5900万円の赤字(同7億9800万円の赤字)、最終損益5億6000万円の赤字(同8億5400万円の赤字)を見込む。年間配当は無配を予定している。売上高は、BASE事業が前年同四半期比55.6%増、PAY事業が同57.6%増ともに高い成長により前年56.0%増、売上総利益は21億5400万円(同54.2%増)を見込む。販管費ではプロモーション費及び人件費等への先行投資を続けるため、営業損益・経常損益・最終損益では赤字見通しとなるものの、赤字幅縮小を見込む。

 株価は、10月30日につけた上場来安値1169円から12月2日に上場来高値1967円と上昇。上げ一服となっていたが、25日移動平均線まで調整しており、値ごろ感がある。来20年12月期も赤字幅縮小が観測されており、ここから切り返すか注目されそうだ。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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