サウジアラムコ新規上場が原油相場に与える影響~もっと知りたい商品先物取引

2019年12月10日 17:27

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記事提供元:フィスコ


*17:27JST サウジアラムコ新規上場が原油相場に与える影響~もっと知りたい商品先物取引
みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。今回のコラムでは、最近特に話題になっているサウジアラムコの新規上場(IPO)について説明します。サウジアラムコとは米国、ロシアと並ぶ世界最大の産油国であるサウジアラビアの国営石油会社です。サウジアラビアはなぜ同社を上場させるのでしょうか?そして、この上場案件は原油相場にどのような影響を与えるのでしょうか?

■サウジアラムコは世界最大の上場企業に
サウジアラムコの上場は、その規模の大きさから注目を集めています。上場による調達額は2014年の中国アリババ(250億ドル)を上回る見込みで、かつ時価総額は現在世界最大の米アップル(約1兆1000億ドル)を抜く見込みだと報道されています。

■上場のねらいは「石油依存経済からの脱却」
上場するとなると、企業情報を透明化しなければいけないことや、同国政府の強硬政策が株価を悪い方向に動かしうることなど、懸念しなければいけないことは多々あります。しかし、そんな中でもサウジアラビアが上場に踏み切ったのは、石油依存経済から脱却をするためです。サウジアラビアは国家予算歳入の68%を石油収入に頼っていると報道されています。この収入は石油価格の上下に左右されてしまうので不安定です。2014年の原油価格の急落より同国の財政赤字が膨らんだことも教訓の1つとなり、石油依存経済からの脱却が急務とされています。同国は、新規上場により得た資金をインフラや教育分野に投資することによって、より安定的な経済を構築していこうとしているのです。

■サウジアラビアは原油価格を引き上げたい
それでは、この新規上場は原油価格にどのように影響するのでしょうか。サウジアラビアとしては、なるべく企業価値を上げて、資金をより多く調達したいので、原油価格を上げたいところです。そのためサウジアラビアがリーダー的存在となっているOPEC(石油輸出国機構)でも、輸出国皆で協調して減産していこうと働きかけています。

■原油価格は上昇傾向
そこで最近の原油価格の動きを振り返ってみましょう。東京商品取引所(TOCOM)の先物市場にて原油価格(先限)は2019年10月4日の安値34,200円(1キロリットルあたり)を起点に、12月9日の40,540円までじわじわと上昇しています。今後の価格動向もサウジアラビアの動きに注目しながらみていきましょう。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ《HT》

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