サモア政府、麻疹による死者急増受け大規模なワクチン接種キャンペーン実施

2019年12月8日 08:57

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記事提供元:スラド

サモア政府は国内での麻疹感染拡大と死者の急増を受け、全土で戸別訪問による大規模なワクチン接種キャンペーンを6日と7日に実施したそうだ(サモア政府のFacebook投稿Ars Technicaの記事news.com.auの記事)。

サモアでは9月から麻疹感染が拡大(PDF)しており、11月15日には政府が非常事態を宣言して各地の医療センターなどでワクチンの無料接種キャンペーンを実施していた。しかし、感染拡大は止まらず、11月29日から12月6日までの1週間で感染者数は3,149名から4,357名まで増加し、死者の数は42名から63名まで増加した。そのため、ワクチン接種を確実に実施するには戸別訪問が必要と判断したようだ。

サモア政府は戸別訪問によるワクチン接種にあたり、公的機関および私企業に対しては6日と7日の7時~17時まで休業するよう求め、ワクチン未接種の家族がいる家庭に対しては家の前と道路の近くに赤い布や赤い旗で目印を付けるよう求めた。一方、国民全員へのワクチン接種を目指すキャンペーンに対しては、強制的な被験者への医学実験を禁ずるニュルンベルク綱領に反するとの批判も出ているという。

死者63名のうち5歳未満が55名と大半を占める。また、サモアの総人口は20万人であり、50人に1人以上が麻疹に感染していることになる。 

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