NYの視点:今週の注目:米中貿易交渉の行方、米ISM、米11月雇用統計、各国PMIなど

2019年12月2日 07:37

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記事提供元:フィスコ


*07:37JST NYの視点:今週の注目:米中貿易交渉の行方、米ISM、米11月雇用統計、各国PMIなど
今週も引き続き米中通商協議の行方に注目が集まる。その他、米国、中国、ユーロ圏、英国のPMI、また、オーストラリア、インド、カナダの中央銀行が金融政策決定会合を予定しており、政策を決定する。米国では、金融政策決定にも影響を与える11月供給管理協会(ISM)製造業景況指数、10月貿易収支、11月雇用統計などの重要指標の発表が予定されており、結果に注目が集まる。

米国の製造業は米中貿易戦争が響き、3カ月連続の50割れで活動が縮小。11月は改善が予想されているものの依然50以下で活動の縮小が続くと見られている。万が一、米中貿易交渉が決裂し、トランプ大統領が中国の残りの輸入品にも関税発動を決定した場合、米国の製造業にも一段の影響が出ると不安視されている。一方で、労働市場のひっ迫で消費が依然強く、米国経済を支えている。11月雇用統計で堅調な労働市場が確認されると、製造業の低迷を強い消費が相殺し、今後も米国経済の成長を支えるとの期待にドル買いが続くと見られる。

米国のトランプ政権は香港人権・民主主義法を成立させた。これに対し、中国政府は反発。報復措置も検討する可能性を示唆するなど先行きが懸念される。12月15日には追加関税に関して、トランプ大統領が判断を下すため、動向を睨み慎重な展開が続くと見られる。

英国では12日に総選挙を控え、TV討論会が予定されている。世論調査によるとジョンソン首相の与党が議会で過半数を獲得する見通し。石油輸出国(OPEC)総会では、協調減産の拡大は計画されていない模様で原油相場の上値を抑制する。

■今週の主な注目イベント

●米国
2日:11月IMS製造業景況指数:49.2(10月48.3)、
11月マークイット製造業PMI:予想52.2(10月52.2)

4日:11月ISM非製造業指数:予想54.5(10月54.7)、
11月マークイットサービス業PMI確定:51.6(速報51.6)、
クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演

5日:10月貿易収支:予想‐488億ドル(9月—525億ドル)
クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演

6日:11月雇用統計:失業率予想:3.6%(10月3.6%)、
非農業部門雇用者数:予想+19万人(10月+12.8万人)


●中国
1日:11月財新製造業PMI:51.5(10月51.7)、
PMIサービス業:51.2(10月51.1)


●ユーロ圏
1日:ラガルドECB総裁、EU議会で証言
4日:財務相会合、サービスPMI


●英国
2日:11月マークイット製造業PMI確定値:予想48.3(10月48.3)
4日:11月サービスPMI確定値:予想48.6(10月48.6)、
コンポジット48.5(10月48.5)

●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
香港《CS》

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