【どう見るこの相場】「掉尾の一振」狙いはバリュー株か?グロース株か?

2019年11月25日 10:27

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■「掉尾の一振」狙いは割安株か成長株か?プラスアルファの「01銘柄」にも選択の余地浮上

 「掉尾の一振」狙いは、バリュー株(割安株)にするのかグロース株(成長株)に的を絞るべきなのか悩ましい。これを左右するポイントはたった一つだが、これが外野席からは予見困難ときているから始末に悪い。12月15日に米国が、中国に対する追加制裁関税の第4弾を発動するかどうかである。香港の区議会議員選挙の結果やトランプ大統領の鼻息次第で発動、部分合意の署名などのどちらかに転ぶのだろうが、マーケットには、リスクオンかリスクオフか天と地ほども違うインパクトを与える。

 発動を見送り部分合意成立となれば、「掉尾の一振」はもちろんグロース株である。世界経済の底打ち、企業業績の回復期待が強まり、半導体関連の値がさハイテク株や中国関連株などの値動きが活発化する。しかし逆に仮に発動となれば、令和最初の東京市場は11月の年初来高値更新、米国市場も、ニューヨーク・ダウ工業株30種平均の史上最高値更新で高値をつけ、2019年の年内相場は、「ジ・エンド」となる。リスクオフで、バリュー株や年末商戦の動向を手掛かりにする小売り株に資金を退避させ終戦相場が続くことになる。

 この両極端のリスクオン、リスクオフの中間で足して二で割る選択肢があれば、もうすこし心穏やかに期待を持って師走相場を迎えられそうだ。そこで注目したいのが、プラスアルファのある「01銘柄」である。「01銘柄」とは、コード番号の末尾2ケタが「01」となっている銘柄で、業界を代表する老舗企業ばかりで、業界団体の会長会社を長く務め「財界総理」といわれる経団連会長さえあまた輩出した。株価プライドも半端ではなく、株価が、業界2位会社の後塵を拝することなどがあると、幹事証券会社が呼び出されきつくお叱りを受けたなどの神話も流れ、かつてはこの株価シーソーゲームが、兜町の株価材料になったほどだ。

 しかし昨今は、「01銘柄」が、株価テーマとして取り上げられることがほぼなくなった。「失われた20年」に加え、経済のグローバル化や経営環境の激変に巻き込まれてリストラ続きで、業界序列は崩れ「巨艦は急に止まれない」などと「大艦巨砲主義」の弊害さえ指摘された。それがここに来て新たなビジネスモデルの確立に向け潤沢な手元資金を活用してM&Aを積極推進やグループ会社の再編など主戦場を大胆に変換するパラダイムシフトに拍車を掛けている。株価的にも、かつてはブランド価値が上乗せされ割高だったのが、PER、PBR、配当利回りなどでも市場平均を下回る「01銘柄」も多数に上っている。この割り安「01銘柄」のなかでも、業績の上方修正や自己株式取得、グループ企業の再編などのプラスアルファを推進している銘柄は、バリュー株妙味とともに、グロース株的な要素も伴う変化も出てきた。

 純正「01銘柄」のほか、ミドル「01銘柄」、プチ「01銘柄」などに幅広く目配りして「掉尾の一振」に満を持したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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