【編集長の視点】クレスコは続落も過去最高更新観測の2Q業績発表を先取って押し目買いが継続

2019年11月7日 09:31

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 クレスコ<4674>(東1)は、前日6日に70円安の3390円と続落して引けた。日経平均株価が連日、年初来高値を更新したが上値が重くなっており、今年10月11日につけた中間配当の権利落ち後の直近安値3140円から500円超高している同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ、25日移動平均線を前に下げ渋る動きも示しており、11月6日に発表予定の今2020年3月期第2四半期(2019年4月~9月期、2Q)累計業績への期待を高めて押し目買いも続いた。同2Q累計業績は、すでに今年10月17日に観測報道され、期初予想を上ぶれ2年ぶりに過去最高を更新するとみられており、実際に前日午後4時に開示された同2Q累計業績は、観測報道通りに増益転換率を伸ばして着地し、配当については、中間配当・期末配当とも増配し年間72円(前期実績66円)と増配幅を拡大させた。

■営業利益は22.8%増と大幅増益転換し増配幅を拡大

 同社の今期2Q業績は、期初に売り上げ184億6000万円(前年同期比8.3%増)、営業利益15億円(同6.7%増)、経常利益17億400万円(同1.0%減)、純利益11億1700万円(同3.8%増)の増減マチマチと予想されていた。これに対して10月17日の業績観測報道では、売り上げが前年同期比11%増の190億円程度、営業利益が20%増の17億円程度と上ぶれ、営業利益は、増益転換率を伸ばして2年ぶりに過去最高を更新するとされた。企業が競争力を強化するためにIT投資を積極化しており、幅広い業種からのソフト開発の受注が拡大し、製造業向けでは自動車関連の車載システム電装化のための機器制御の組込みソフトの開発案件が伸びたことが要因と分析された。

 前日6日午後4時に実際に開示された2Q累計業績は、売り上げ192億1800万円(前年同期比12.8%増)、営業利益17億2600万円(同22.8%増)、経常利益18億9600万円(同10.2%増)、純利益11億3900万円(同5.8%増)と観測報道通りに着地した。配当は、配当性向を純利益の30%をメドとする配当方針に従って期初予想の増配幅を拡大させ、中間配当36円、期末配当36円の年間配当72円とする。今2020年3月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ378億8000万円(前期比7.5%増)、営業利益34億円(同6.0%増)、経常利益38億1300万円(同4.2%増)、純利益24億1600万円(同5.7%増)と10期連続の増収増益と予想され、過去最高業績を更新する。ただ、2Q累計業績が、上ぶれ着地したことから通期業績にも同様の業績推移期待を高めている。

■年初来高値からの調整幅の3分の1戻し水準でミニGCを示現し早期の全値戻し期待

 株価は、機械学習による疾病分類手法に米国特許が成立したことで年初来高値3940円へ急伸し、米中貿易摩擦激化に伴う再三の世界同時株安に巻き込まれ、中間配当の権利落ちも重なって3140円まで調整した。同安値は、売られ過ぎとして底上げ、2Q累計業績の観測報道で3560円まで再急伸した。この上昇で年初来高値からの調整幅の3分の1戻しをクリアするとともに、5日移動平均線と25日移動平均線が交錯するミニ・ゴールデンクロス(GC)も示現し上昇トレンド転換を示唆した。3分の1戻しから半値戻しとリバウンド幅を拡大、全値戻しの年初来高値奪回も早そうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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