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米大手レストランチェーンで提供の牛肉、なかなか進まない飼育時の抗生物質排除

2019年11月3日 21:13

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記事提供元:スラド

米レストランチェーンで提供する肉類の抗生物質排除状況をまとめた年次報告書「Chain Reaction」2019年版が公開された(Chain Reaction V: PDFMashableの記事Consumer Reportsの記事)。

報告書はCenter for Food SafetyとConsumer Reports、Milken Institute School of Public Health、Antibiotic Resistance Action Center、Natural Resources Defense Council (NDRC)、Food Animal Concerns Trust (FACT)、U.S. PIRG Education Fundが作成したもので、今年で5年目となる。調査は米国でトップ25のファーストフード・ファーストカジュアルレストランチェーンを対象に、牛・豚・鶏・七面鳥の4種の肉類について行われているが、今年は特に牛肉に注目した報告書になっている。

米国では耐性菌の発生を防ぐため、人間の医療用でも使われる重要な抗生物質について家畜・家禽への使用を減らす取り組みが進められているが、特に牛での対策が遅れているという。今回の報告書でもすべての肉類を対象にしたスコアで最低の評価Fとなったのは25ブランド中8ブランドなのに対し、牛肉のみを対象にしたスコアでは牛肉を提供しない4ブランドを除いた21ブランド中15ブランドが評価Fとなっている。

牛肉のみを対象にした評価が最も高かったのはChipotle (評価A)とPanera Bread (評価A-)。SubwayとMcDonald'sが評価Cで続く。評価ポイントはサプライチェーンでの牛の飼育に対する抗生物質使用のポリシー (Policy)とポリシーの適用状況(Implementation)、第三者による監査の実施や報告書の公開、調査への回答といった透明性(Transparency)の3項目となっている。米食品医薬品局 (FDA) のガイドラインに準拠するといったポリシーは評価対象外となる。
ChipotleとPaneraは2015年に公開された最初の報告書から評価Aを維持しており、牛肉だけでなく他の肉類でも抗生物質排除をほぼ達成しているという。昨年の報告書(PDF)にはトップ25のハンバーガーチェーンの牛肉のみを対象にした評価が掲載されており、Shake ShackとBurgerFiが評価Aを獲得していた。今年は評価対象としてリストアップされていないものの、これら2ブランドの評価は引き続き高いそうだ。昨年のMcDonald'sは評価Fだったが、今年は予防的な抗生物質使用の中止などを盛り込んだポリシーの策定と透明性の向上により評価を大きく伸ばした。Subwayは昨年と比べて大きな違いはないようだ。

一方、Wendy'sは何年も前から抗生物質の削減を主張しているそうだが、対象は使用牛肉の30%についてタイロシンを20%削減するというものだという。そのため、評価は前年のD-からわずかに上昇したD+にとどまる。このほか、Taco Bellが評価Dを獲得した以外はすべて評価Fとなっている。評価FのブランドにはBurger KingやSonic、Jack in the Boxといったハンバーガーチェーン大手や、牛肉感のあまりないStarbucksなども含まれる。ただし、肉類全体の評価ではStarbucksとBurger Kingは評価C、Jack in the Boxは評価C-となる。なお、肉類全体ではChick-fil-AとKFCも評価Aを獲得している。 

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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

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