米中懸念で売り先行も「底堅い」印象だが/後場の投資戦略

2019年10月9日 12:24

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記事提供元:フィスコ


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;21442.98;-144.80TOPIX;1578.55;-7.95

[後場の投資戦略]

 10日から開かれる米中閣僚級協議を前に、制裁の応酬が激しさを増してきた。前日の米NYダウが300ドルを超える下落となり、東京市場でも半導体関連などの景気敏感株を中心に売りが先行した。とはいえ、トヨタ自が小じっかりとなっているところなどを見ると、円相場の伸び悩みが株式相場を下支えしているようだ。前日も指摘したとおり、トヨタ自など輸出企業の株価は今月下旬からの決算発表を前に為替動向に敏感となっている印象だ。日経平均は寄り付きを安値に下げ渋り、日足チャート上では21400円台に位置する5日移動平均線水準まで値を戻している。

 このところ日中に大きく売り込まれる場面が少ないため、「底堅い」と見る向きも多い。ただ、米国発の米中問題に関する報道に市場の関心が集まる一方で、国内には手掛かりとなりそうな材料が乏しく、日中は積極的な売買が手控えられているとも考えられる。今週に入り東証1部売買代金は連日で2兆円を下回っており、本日も前場でおよそ8300億円にとどまる。なお、10日からの米中閣僚級協議のみならず、今晩の米国で公表される連邦公開市場委員会(FOMC、9月17-18日開催)議事録や、足元で発表が本格化している小売大手の決算なども注目される。後場の日経平均は下げ渋る場面もあるだろうが、マイナス圏でのもみ合いが続くとみておきたい。(小林大純)《AK》

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